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【営業利益】就活生必読!本当に利益を出せている企業の見分け方

就職活動

「資本金5,000億円」「売上高1,000億円」等と聞いて、「この企業なら安定していそうだ」とか「金額的に大手企業だから大丈夫そうだ」と思って飛びついていませんか?その発想、危険です。

企業の存続で大切なのは「利益を出せているか」です。その中でも見ておくべき利益が「営業利益」!。営業利益ってどうやって見るの?どのくらい営業利益があればいいの?
営業利益を知って、将来性のある企業なのかを見抜こう!

営業利益って何?

営業利益について知ると同時に、企業の利益について、前提知識を確認していきましょう。
そもそも企業における利益には3種類あります。

・営業利益
・経常利益
・純利益(別名:最終利益)

まず、その企業の「本業で出た利益」が営業利益です。例えば食品メーカーだったら、本業は食品です。この食品によって生み出した利益ですね。営業利益は「売上高-原価-販売管理費」の計算で求めることができます。

次に「営業利益に本業以外の収支を足した利益」が経常利益です。実は企業は、本業以外にも稼ぐ手段を持っています。先ほどの食品メーカーの例でいくと、本業の食品以外に商業施設を経営していたり、株式投資といった、いわば副業でも稼いでいます。
経常利益は、「営業利益+本業以外の収支」の計算で求めることができます。

最後に「経常利益に、その他の収支や税金の支払いといった清算を済ませた最終的な利益」が純利益です。その企業がいくら儲かったかを表すというわけですね。純利益は「経常利益+特別損益-税金」の計算で求めることができます。
なお特別損益とは、いわゆる臨時収入や臨時出費です。食品メーカーの例で続けると、保有している土地を売却したことで臨時収入を得た=特別利益を出したという形です。

このようにみると、「営業利益がマイナスであったとしても、経常利益や純利益を見て、しっかり稼げているなら問題ないのでは?」と思った人もいるかもしれません。しかし営業利益は本業による利益ですので、端的に「会社の軸となる部分の実力があるのか」という判断基準にされます。軸となる部分の実力がある企業ということは、それだけ継続的に今後も利益を出していけるということになりますので、将来性の高さにもつながっているのです。
これが「営業利益がマイナスだけど経常利益はプラス」だと、原則として「本業が駄目だから、本業以外で穴埋めをして何とか利益を出した」という判断をされます(業界・業種や企業規模、経営戦略により多少異なります)。

学校の期末試験で例えてみましょう。
英語が得意(本業)な人が、英語の点数を落としてしまいました(営業利益をマイナスにしてしまった)。そこで、国語や社会の教科で穴埋めして(本業以外で稼いで)、総合得点(経常利益)はなんとかマイナスにならないようにしました。今回は国語や社会(本業以外)の点数でどうにか穴埋めできたものの、得意な英語(本業)を伸ばさなければ、今後、安定した総合得点を取る(安定した利益で事業継続)ことは難しくなりますよね。

このように、営業利益を見ることこそ、その企業の本当の実力ひいては将来性を計る指標になるのです。

営業利益を具体的にみていくと

営業利益の言葉の意味が分かったところで、どのくらい営業利益の比率があれば、安定しているひいては将来性があると言えるのでしょうか。この比率は営業利益率と呼ばれ、「営業利益額÷売上高×100(%)」で求めることができます。その結果、一般的には11%以上あれば優良とみなされ、事業が好調であると判断できます。
※業界や業種により異なります。

例えば、次の2社の営業利益率を考えていきましょう。

(1)金融業界大手A社
売上高:4兆2,646億2,800万円
営業利益:6,565億6,300万円

(2)IT業界大手B社
売上高:9,784億9,700万円
営業利益:1,217億4,000万円

この時A社の営業利益率は、6,565億6,300万円÷4兆2,646億2,800万円×100=1.5%です。一方B社は1,217億4,000万円÷9,784億9,700万円×100=12.4%です。
たしかにA社は売上高4兆円超えと圧倒的ですね。しかし営業利益率でみると、B社が圧倒的に高く12%超えと、優良とみなされる比率です。営業利益率という観点では、より安定しているのはB社であると言えるでしょう。

このように、最初の数字のインパクトで判断するのではなく、営業利益率を計算することで、どちらがより安定しているかを、客観的な数字で判断することができるようになるのです。

ただし、先ほどの例の期末テストと違い、営業利益率が低いから即座にダメな企業と判断することは早計です。「その企業の属する業界の平均的な営業利益率と比べてみてどうか」や「営業利益率の低い理由は何かあるのか」「どんな経営戦略を取っているのか」等の深掘りが必要です。なぜなら「元々の業界・業種の構造的に、営業利益率を上げにくい(もしくは上げる必要がない)」「あえて本業にこだわらず、多角的に経営することで、リスク分散を図っている」といった企業もあるためです。

営業利益率は、そこからさらに企業研究を深掘りしていくための手がかりの1つとして見ていくようにしましょう。

営業利益のデータ、どうやって手に入れる?

ここまで営業利益とは何か・営業利益率の目安・営業利益率の求め方を見てきました。では、営業利益の情報や、営業利益率を求めるために必要な売上高といった情報は、そもそもどうやって手に入れればよいのでしょうか?

営業利益や売上高といった情報を入手する方法としては、「企業HPに公開されている財務情報を閲覧する(上場企業の場合)」「ビジネスデータベースに登録し、料金を払って閲覧する」「会社四季報を購入して調べる」等の方法があります。しかし時間や費用の限られている就活生にとって、ハードルが高くなってしまう可能性があります。そこで今回は「費用がかからない」「分かりやすい」という点から、ブンナビ×読売新聞を例にとってみていきます。
ブンナビ×読売新聞は、東洋経済新報社の「会社四季報」データを無料で閲覧できるサイトです。会社四季報データですので、当然営業利益や売上高の情報も含まれます。そのため、容易に営業利益の計算が可能です。
また、様々な情報がグラフや図表化されているため、分かりやすいという点も、他のビジネスデータベースとの違いです。

このように、営業利益をはじめ、データでその企業を調べてみることで、「こんなはずではなかった」「イメージとは違った」といった就活の後悔を、大幅に減らすことができるはずです。

営業利益をみて、「本当に」将来性のある企業を探そう

営業利益の意味や見方を知ることができたことで、「大手だから・知っている企業だから安定性があるはず」という、先入観や思い込みを脱却できたのではないでしょうか。

就活では社風等の感覚も重要な一方、今回の営業利益のように、データに基づく企業研究をしなければ本当の情報が見えてこないという部分もあります。
このことを念頭に入れておかないと、企業のネームバリューやブランドだけを見て就活し、入社後にギャップを感じ後悔するということになりかねません。

就活は、社会人になった最初のスタートを成功させるためのものです。後悔のない就活をするために、データから冷静に判断していく姿勢も忘れないようにしましょう!

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