内定に一歩リード『就活進め方ガイド』

就活における資格取得「あると有利?」評価される方法はこれだ

img_20021 就職活動

「資格があったほうが、当然有利だよね」
「資格がないと、就活で落ちるの?」

就活でよくある質問です。たしかにあると便利な一面もありますが、間違った認識をしていると、就活に悪影響も……。
6,000人以上の先輩データに基づいて、就活における資格の立ち位置を理解するとともに、どのように活用していけばよいかを考えていきましょう。

そもそも企業は、資格を評価してくれる?

そもそも論として「資格はアピールできるものなのか」を見ていきましょう。
延べ6,000人以上の学生が回答しているブンナビ×読売新聞(会員数:約10万人)による月例調査では、「『企業』が学生を選考するにあたって特に重要視すると思う項目を5つ選択してください。(複数選択)」という質問を複数回行っています。それによると、回答の多い順に次のようになりました。

コミュニケーション能力:82.9%
主体性:63.6%
協調性:62.4%
チャレンジ精神:49.1%
責任感:41.2%
誠実性:33.1%
柔軟性:29.3%
潜在的可能性(ポテンシャル):19.2%
信頼性:18.7%
論理性:17.5%
リーダーシップ:16.2%
一般常識:14.9%
創造性:13.4%
職業観・就労意識:8.7%
専門性:7.5%
倫理観:5.3%
語学力:3.5%
出身校:3.3%
インターンシップ受講歴:1.9%
感受性:1.9%
学業成績:1.8%
保有資格:1.8%
クラブ活動/ボランティア活動歴:1.0%
所属ゼミ/研究室:0.8%
その他:0.7%
留学経験:0.4%

このように、「保有資格」は僅か1.8%です。選考において企業が資格を評価基準とする可能性は限りなく低いといえるでしょう。

CHECK:応募資格欄に注意
資格の保有は、選考における評価基準にならないものの、応募資格に関わる場合があります。例えば技術職等の特殊な職種です。これらの職種は、資格を保有していなければ、そもそも応募できませんので、注意しましょう。

資格がある=有利?

「TOEIC900点以上です」
「簿記1級持っています」
「不動産鑑定士と宅地建物取引士の資格を持っています」
「漢検1級と公認会計士と秘書検定1級と、宅地建物取引士と社会保険労務士と、MOSスペシャリストとJ.S.A.ソムリエの資格を持っています」

資格が評価基準にならないとはいえ、就活においてこういった資格を持った「すごい人」達が、有利になると思いがちです。
しかし、この人達が受かるかどうかに、資格を持っているか否かは一切関係ありません。採用担当者からすれば「資格を持っている=フーンすごいね。以上」になるからです。

一般的に新卒採用においては、「この人は入社後、こんな活躍をしてくれそうだ」という見込みで採用を行います(ポテンシャル採用)。そのため、自己PRや学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)でも、「結果に到達するまでの過程(目指そうとしたきっかけ/背景・苦労した点・工夫等)」を、採用担当者は聞きたがります。
なぜなら過程を聞くことで、「この人は課題や困難に対峙したとき、こんな方法で解決していきそうだ=入社後、こんな活躍をしてくれそうだ」という見込みを立てることができるからです。

つまり、資格を持っているという「結果だけ」を示されても、「過程」から見えてくる「どんな活躍をしてくれそうか」という部分が分からないため、評価できない=落とさざるをえません。
順序としては「資格を持っている=君はすごい!採用だ」でなく「資格を持っている→そこに行きつくまでで苦労した点や工夫した点等の過程を聞く→その人が入社後どんな形で活躍をしてくれそうか想像できる→受かる」なのです。

資格が評価される瞬間とは?

資格を評価してもらうには、ここまでみてきたように、自己PRやガクチカの場で「資格を取るまでの過程を伝えることです。
例えば「簿記1級持っている」場合、「持っている」という結果を伝えるのでなく、「簿記1級を取ろうと思ったきっかけ/理由・取得に向けた勉強で苦労した点・勉強する中で工夫した点」を伝えるようにしましょう。

ただし自己PRやガクチカにおいて、学業や部活/サークル活動、アルバイト等ほかに使いたい題材がある場合、無理に資格を題材として使う必要はありません。
身も蓋もない話ですが、採用担当者が聞きたいのは「過程の部分」のため、そもそもの話題が何かはあまり問われません
あくまで自身の話しやすい話題で自己PRやガクチカを話すと良いでしょう。
(稀に「●●について話してください」というケースもあります。その際は話題に沿った話をするようにしましょう)

CHECK:持っていると有利な資格とは
Google等で検索すると「就活生におすすめの資格」「就活に有利な資格」といったページが出てきます。
しかし、だからといって「就活のためだけの」資格取得はおすすめしません。
なぜなら、採用する企業からすれば「業務に必要な資格がもしあったとしても、入社後に取得してもらえばよい」と考えているからです。
就活のためだけの資格取得に多大な時間をかけるよりかは、業界・企業研究や選考対策を重点的に行ったほうが有意義です。

とはいえ、資格取得が全くの無駄というわけではありません。資格によっては例えば業界・企業研究をする際、より理解を深めやすかったり、素早く理解できるというメリットもあります。そのため、結果としてよりよい自己PRや志望動機につながり、選考に通りやすいという側面はあります。
「就活に有利な資格」とは、正確には「あると便利(=資格取得していないからといって不利にならない)」くらいで捉えるとよいでしょう。

「内定」だけを見ないように

このように、資格を持っていないからといって、就活で不利になるということはないということが分かりました。

就活とは「内定をもらうため」ではありません。「社会人になってから後悔しないため」です。この前提を間違えると、資格取得に限らず視野が狭まり、本当に自分に合う企業を見つけられなくなるだけでなく、内定をもらえないということも。

内定獲得だけに目がいきがちになる就活だからこそ、広い視野を意識するようにしましょう。
社会人になって良いスタートを切れるよう、応援しています!

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