内定に一歩リード『就活進め方ガイド』

損をしない【学歴フィルター】ある?ない?コツを直伝!

img_20013 就職活動

就活において度々話題に挙がる「学歴フィルター」。

「当社に学歴フィルターはありません」
「今のご時世、広く優秀な人材を取りたいから、学歴フィルターは使わない」
「表立って言わないだけで、あるに決まっている」
「採用側からしたら、絶対に効率的。よってないわけがない」……等々

様々な憶測が流れる中、本来の当事者である学生はどう思っているのでしょうか。
今回は株式会社文化放送キャリアパートナーズが行った「学生就職活動調査(有効回答数752名)」と「学生就活意識アンケート(月例・全16回・延べ回答数6841名)」のデータを基に、学歴フィルターの体感値や、損をしないためのポイントを伝授します!

学歴フィルターってあると思う?

そもそも、学生は学歴フィルターがあるかどうか、どう思っているのでしょうか。
就活開始前の段階で、学歴フィルターがあると思っていたかどうかを、学生に聞いた調査結果があります。

質問「大学名による就職格差についてお聞きします。就活前に「大学名による就職格差」はあると思っていましたか。また、あると思っていた方はその事に関して不安に思っていましたか。(択一)」

これに対しての回答は、以下の結果です。(有効回答数:380件)
「『ある』と思っており、不安を感じていた」39.8%
「『ある』と思っていたが、不安はなかった」45.3%
「『ない』と思っていた」4.7%
「考えたことがなかった」10.2%

このように、「『ある』と思っていたが、不安はなかった」「『ない』と思っていた」「考えたことがなかった」で計6割を超えています。過半数以上の学生は、就活が始まる前から「別に不安に感じていない・とくに気にしていない」ということが分かりますね。

就活を通じて、結局学歴フィルターはあった?

では、実際に就活をしてみて、学歴フィルターはあったのでしょうか。
先ほどの調査では、実際に就活をしてみて学歴フィルターがあったと感じたかどうかも聞いています。

質問「実際に就活を行なってみて、「大学名による就職格差」はあると感じましたか?あると感じた方は自分にとって有利・不利どちらと感じましたか。(択一)」

これに対しての回答は、以下の結果です。(有効回答数:380件)
「『ある』と感じた。優遇されていると感じる事が多かった」21.7%
「『ある』と感じた。冷遇されていると感じることが多かった」9.9%
「『ある』と感じた。有利・不利どちらともいえない」29.4%
「大学名による就職格差を感じることはなかった」28.8%
「考えた事がなかった」10.2%

このようにみると、「『ある』と感じた。優遇されていると感じる事が多かった」「大学名による就職格差を感じることはなかった」「考えた事がなかった」が計60.7%。「ある・有利/不利どちらともいえない」29.4%。そして、よくマスコミやSNS等で取り上げられがちな「『ある』と感じた。冷遇されていると感じることが多かった」は、1割にも満たないことが分かります。

さらに、この質問はあくまで「冷遇されている感じる=主観的な判断」のみのため、実際には学歴フィルター以外の要因で選考に落ちたケースも多々あると考えられます。以上のことから、仮に学歴フィルターがあったとしても、不利益を被ることはほぼないと言ってよさそうです。

で、結局学歴フィルターってあるの?ないの?

結論から言うと、「分からない」です。
理由は以下の2点です。
(1)学歴フィルターを使っていない企業は、そもそも何の話題にも上らないから。
学歴フィルターを使っていない企業の場合、当然社内で学歴フィルターの話題が上ることはありません。そして実際学歴フィルターを使っていないわけですから、学生からも学歴フィルターの疑いを向けられることもありません。

(2)学歴フィルターを使っている企業は、その情報を漏らさないから。
そもそも採用業務に限らず、業務上得た情報や技術自体、一般的に守秘義務があります。(漏れると他社にアイデアを奪われたり、取引先に損害を出してしまう等、企業の利益自体を損なうため)

ましてや採用業務は個人情報を扱う等、特に情報漏洩に注意すべき面を多く含みます。そのため、学歴フィルターを使っている企業があったとしても、当然その情報を外部に漏らすことはありません。
そもそも本当に企業から直接情報が漏洩していたら、学歴フィルター云々以前の問題です。もしそんな企業があったら、学歴フィルターとは別のベクトルで、志望するか再考すべきでしょう。

そもそも「就活≠受験」

このように見ていくと、学歴フィルターについて過度な心配をする必要はなく、実際学歴フィルターにより不利に働くこともほぼないと言えます。
とはいえ「難関大学の友達はES通過できたのに、自分は通らなかった」「難関大学の友達が、早い時期に内定をもらっていた」=「だから学歴フィルターは存在する」という声もあるかもしれません。

しかし、ここで重要な視点があります。
それは、「就活とは大学受験と違って、たった1つの正解(明確な答えや基準)があるものではない」という点です。世の中に全く同条件の人間は2人以上存在しませんし、そもそも各企業ごとに求める要件や人物像は異なります。
各人の条件も違う上に、企業ごとに採りたい人材が異なるとなれば、もはや「正解」は星の数ほどあるということになります。「正解」が星の数ほどある中で、極端に学歴フィルターを気にする必要はないでしょう。

ちなみに付随すると、物事の比較をする際の大前提は「比較する箇所以外のものは、全て同条件」です。そのため、学歴フィルターの存在を本当に検証するなら、以下のような条件(一例)が必要です。

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・学歴以外の全てが全く同条件(学力はもちろん、コミュニケーション力や容姿、行動特性等全ての面で同条件)の2名の学生を用意する
・同じ企業の選考を、全く同じタイミングで受ける。人事の判断基準は、誰であっても全く同じ。
・そして2名の学生の合否に差異があれば、学歴フィルターがあると証明される。
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学歴フィルターの有無を検証するには、あまりにも条件が非現実的だということが分かりますね。
星の数ほど正解があるなかで、極端に学歴フィルターだけを気にしている時間があったら、その時間を企業研究や選考対策に充てたほうがよっぽど有意義です。

CHECK:それ、学歴フィルターじゃないかもよ
ここまで述べたように、各人の条件や企業の求める人物像等が違う以上、学歴フィルターだけを過度に気にする必要はありません。しかし、学歴フィルターというバイアスがかかっていると、正しく物事を見られない可能性があります。

例えば先ほどの声に対しては、以下のような推察ができます。
「難関大学の友達はES通過できたのに、自分は通らなかった」
→難関大学は、一般的に元々の知識量や情報収集能力、文章構成能力の高い学生が多く在籍しているケースが多い。よって、その力を就活でも活かすことで、選考に通りやすい。

「難関大学の友達が、早い時期に内定をもらっていた」
→そもそも現在は、インターンシップ経由からの選考ルートも存在する。当然通常の就活スケジュールより早い時期に選考を行うため、内定をもらう時期も早い。

こうみると、「じゃあ早いうちから文章の書き方を練習しておこう」とか「じゃあ早めに自分もインターンシップに参加しておこう」といった、より自分のためになる情報が集められそうですね。
余計なバイアスは最終的に自分にとって損になるだけです。見聞きした情報は、多角的に吟味していくようにしましょう。

「それでも学歴フィルターが気になる」あなたが損をしないために

「Twitterを見ていたら、学歴フィルター絡みの投稿があった」
「マスコミが学歴フィルターのことを大きく報じていた」

とはいえ、気にしないようにしていても、学歴フィルター関係のネガティブな情報を耳にすることがあるかもしれません。
しかしここまで述べてきたように、次の3点を念頭に置いておくべきです。

客観的な調査では、学歴フィルターによって不利になったと感じたケースはほぼない
・学歴フィルターだけが合否基準ではない
・学歴フィルターをいちいち気にしているほうが時間の無駄

極端な話をすれば、SNSやマスコミは中立な立場ではありません。すなわち、自分達の利益になるような形で情報を流す(もしくは流さざるをえない)という一面があります。
「学歴フィルターで落とされた」等、センセーショナルに情報を流したほうが「バズる(注目を得られる)」「視聴率が取れる(スポンサーから広告料を得られる)」からやっているというわけです。

中立でない情報に振り回され、自分が損をしないために、情報の中身を吟味したうえで取捨選択していきましょう。
例えば企業研究でも「どの企業が学歴フィルターを実施しているか」をいちいち探るより「その企業は自分のやりたいことと合っているか?将来性はどうか?離職率は高くないか?給与は?」等を調べていったほうが、最終的に自分が得をします。

こういった情報は、企業HPだけでなく『業界地図』『就職四季報』『会社四季報』『CSR企業総覧』といった客観的な情報から得るようにしていくと、その企業の本当の姿が見えてきます。
他にも「ブンナビ×読売新聞」のように、各企業の四季報の情報を無料で閲覧できるサイトもありますので、企業研究の参考にするとよいでしょう。

端的に言って学歴フィルターの存在は、「信じるか信じないかはあなた次第」という状態です。
しかし、憶測や中立でない情報は鵜呑みにせず、あくまで客観的で正しい情報を収集することで、「本当に自分のためになる」就活を考えられるようになるはずです。

正しい情報を収集し、後悔のない就活をしていきましょう!

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