内定に一歩リード『就活進め方ガイド』

エントリーシート(ES)の書き方「失敗回避術」先輩の実例に学ぶ

就職活動

新卒における就活の選考段階は、筆記試験、グループワーク、個人面接等々、多岐に渡り就活の選考段階は、筆記試験、グループワーク、個人面接等々、多岐に渡ります。その中でも、エントリーシートの書き方は、第一関門ともいえるのではないでしょうか。

そんな皆さんのために、「エントリーシートの書き方として確認すべきポイント」と「エントリーシートの書き方で、失敗から学んだこと」の2点に分けて、書き方のポイントや気を付けるべきポイントをご紹介します。今回はブンナビ×読売新聞(会員数10万人)の会員に対し調査を行い、就活を終えたばかりの大学4年生・院2年生188名の先輩から回答をいただきました。

先輩達の体験談をもとに、エントリーシートの書き方のスキルをアップしていきましょう!

エントリーシートって何?エントリーシートの書き方とは?

【1】エントリーシートって何?
エントリーシート(ES)とは、就活生が企業に提出する応募書類の1種です。一般的に、企業に対して自分をアピールしたり、熱意を伝えるために使用します。1次選考(最初の選考)として企業から用いられることが多く、2次選考以降にも、面接時の参考資料として使われることも多いです。選考全体を通じ、あなたに影響を与えるものといっても過言ではありません。

選考過程の例
1次選考→2次選考(集団面接)→3次選考(個人面接)→4次選考(最終面接)
※この例でいくと、4次選考(最終面接)を含め全ての選考段階で、各採用担当者の参考資料としてエントリーシートを使われることも。

選考の最初ということもあり、エントリーシートで落ちるわけにはいきません。しかし多くの採用担当者は、通常業務に加え大量のエントリーシートを読んだり、面接の準備をしたりと多忙です。そのため、ただ漠然とエントリーシートを書いただけでは、自分の魅力や熱意がはっきりと伝わらず、場合によっては落ちてしまうことも……。
より選考に受かりやすいエントリーシートの書き方を、次にみていきましょう。

【2】受かるために必要なエントリーシートの書き方とは?
自分の魅力や熱意が伝わり、選考に受かりやすいエントリーシートの書き方として、次の4点を押さえておきましょう。
・基本的な文章構成に基づき、簡潔で分かりやすく書く
・伝えたいポイントを絞る
・エピソードは具体的に過不足なく書く
・採用担当者が、あなたの入社後の活躍をイメージできるように書く

(1)基本的な文章構成に基づき、簡潔で分かりやすく書く
ビジネスにおいては、「結論→その理由・根拠」という順序で書くことが望ましいとされています。なぜならお互い限られた時間の中で、齟齬なく理解する必要があるからです。
エントリーシートでもこの法則が当てはまりますので、まず結論を簡潔に記入した後、根拠となる理由や具体的なエピソードを書いていくようにしましょう。
なお、これらは自己PR/ガクチカ/志望動機全て共通です。

ガクチカでの例
悪い例「会計を務めていたのですが、苦労したことは●●で~~です。このように私は学生時代、部活動に力を入れました」
良い例「私は学生時代、研究に力を入れました。具体的には~~」

それ以外にも基本的な文章の書き方として、一文あたりの文字数を、基本的に40~60文字程度にするよう心がけましょう。
あまりに一文の文字数が長いと、読み手が理解できなかったり、理解するのに時間がかかったりするためです。

(2)伝えたいポイントを絞る
エントリーシートで自分をアピールしたり熱意を伝えるため、学生時代の活動を全て書くという人がいます。
しかしこの方法はおすすめできません。「エピソードが色々ありすぎて、読み手が理解できない」「規定の文字数内に沢山のエピソードを無理やり収めたため、1つ1つのエピソード内容が薄くなる」といったことがあるからです。

伝えたいことがぼやけてしまうと、あなたの人となりが採用担当者に伝わらず、結局落ちてしまうということになりかねません。様々なエピソードがある場合、特にあなたらしさの発揮されたエピソードをピックアップするとよいでしょう。短時間であなたの言いたいことが伝わり、選考通過率アップにつながるはずです。

なお、この時のエピソードは、必ずしも成功体験である必要はありません。例えば「部活動で大会優勝を目指していたものの、3回戦で敗退してしまった」というエピソードがあったとします。しかし「あなたが大会優勝に向けての思いや考えたこと・行動/工夫したこと」等をしっかりと書けるなら、むしろこのエピソードをピックアップしたほうが、あなたの人となりが伝わります。

(3)エピソードは具体的に過不足なく書く
簡潔に分かりやすく書くというのは大切ですが、あまりにもエピソード内容を端折りすぎてしまうと、採用担当者が理解しにくくなるのみならず、あなたの魅力が伝わらないということになりかねません。

いわゆる「5W1H(いつ/どこで/誰が/何をした/なぜ/どのように)」を軸に、まずはエピソードを書いていきましょう。その上で不要な点をカットしたり、足りなさそうな部分を追加したりと修正を加えていくと、過不足なく分かりやすい文章に仕上がってくるはずです。

また、仕上がった文章を自分以外の第三者(両親/友人/先生/就職課の職員等)に読んでもらうのもおすすめです。文章だけで過不足なく伝わっているか確認できたり、足りない描写を教えてもらえたりします。

(4)採用担当者が、あなたの入社後の活躍をイメージできるように書く
自己PRやガクチカ等を通じ、「あなたが入社後にどんな活躍をしそうか」を採用担当者がイメージできるようにすることが、エントリーシートの書き方において重要です。

例えば「部活動で全国大会優勝」と自己PRを書いたとします。ただ、エピソード自体は問題ないものの、これだけではあなたが入社後にどんな活躍をしそうか伝わりません。
「大会優勝に向けて、どんな思い/考えで臨んだのか・悩んだことや工夫したことはどんなことか」等の過程の話を入れることで、採用担当者は、入社してからあなたがどんな形で活躍していきそうかイメージしやすくなります。

この学生時代の功績・結果だけを書いて、そこに至るまでの過程を書けていないというパターンは、非常に多いです。
エントリーシートにおいて、すごい人が受かるのではありません。入社後にどんな活躍をしそうかを、採用担当者にイメージさせることのできる人が受かります。この点を理解しておくようにしましょう。

もちろん、企業ごとに社風や求める人物像は異なるため、書き方のポイントを押さえた完璧なエントリーシートを作ったからといって、100%確実に選考に通ることはありません。しかし、この4点を押さえることで、格段に選考通過率が上がるはずです。

上記4点を意識したエントリーシートを作ったら、次にエントリーシート提出前に確認すべきポイントみていきましょう。

その書き方で大丈夫?エントリーシート提出前に確認したい3ポイント

「エントリーシートができあがった」
誰しもがほっとする瞬間です。しかしそのエントリーシート、意外な落とし穴やNGポイントがあるか誰しもがほっとする瞬間です。しかしそのエントリーシート、書き方として正しくできているでしょうか?意外と基礎的な書き方をできていなかったり、NGポイントがあるケースも多いです。
特に以下3点については必ず確認し、必要に応じて修正しておくと良いでしょう。

・誤字脱字の確認
・「文章だけで」伝わっているか確認
・文章の癖を確認

(1)誤字脱字の確認
エントリーシートの書き方として、誤字脱字は誰もがやりがちな初歩的なミスです。「誤字脱字があっても意味が分かるならいいでしょ」「誤字脱字くらいでごちゃごちゃ言わないでほしい」という声もあるかもしれません。しかし、エントリーシートを読む人事担当者は、誤字脱字のあるエントリーシートの「裏側」を読み取ろうとします。
例えばパソコンでエントリーシートを作成する際、「貴社を志望したのは~」を「貴社を脂肪したのは~」と変換ミスをしていたとします。そのまま提出し、人事担当者が読んだとき、このように考える可能性があります。

「この人は誤字に気付かずに提出してきたのかもしれない。そうなると、もし採用した場合、うっかりミスが多く取引先に迷惑をかけるかもしれない
「この人は誤字をそのまま提出してきた。もし採用した場合、仕事もいい加減にやる可能性があるぞ……」等々

このように人事担当者は、エントリーシートの書き方の「裏側=もしこの人を採用したらこんな行動をする可能性が考えられる」という読み取りをします。
誤字脱字があるだけで、あなたの本来の良さが伝わらなかったり、誤解をされてしまう可能性もあります。基礎的なエントリーシートの書き方として、誤字脱字がないか必ず確認をしましょう。

(2)「文章だけで」伝わっているか確認
エントリーシートでエピソードを書くとき、当然のことながら「そのエピソードを体験し、文字に起こしている=あなた」と「文字だけそのエピソードを読み取る=人事担当者」では、思い浮かべる情景に差が生じます。
そのため、自分では完璧に書けたと思っていても、無意識のうちに自分の体験から情景を補完してしまっており、実際には相手に伝わっていないということが多くあります。これもエントリーシートの書き方において、よくありがちなNGポイントです。
こうした「無意識のうちに、自分で勝手に補完してしまっている」部分を洗い出し、「純粋に文章だけで相手に伝わる」ようにしておくことも重要です。

(3)文章の癖を確認
他人の文章を読んだ時、こんな風に思ったことはないでしょうか。
「『ですます』調と『だである』調が混ざっていて読みにくい」
「やたらと文中に『しかし』が入っているので、結局何を言いたいのか読み取れない」等々

意外と本人は、そういった文章の癖に気付いていません。これは、エントリーシートを作成する皆さんにも同様のことがいえます。つまり、そのため自分でも気付かないうちに、人事担当者から見て読みにくい文章になっている可能性があるのです。
基本的に人事担当者は、多くの業務を抱えている中で、大量のエントリーシートを読んでいきます。そのため、読みにくいエントリーシートはそれだけで落ちてしまう可能性が高まってしまいます。
こういった事態を避けるために、自身の文章の癖を把握し、読みやすく再構成したり、書き方を矯正しておくようにしましょう。

CHECK:略語や俗語、専門用語は使わない
「バイト(『アルバイト』の略語)」「マジ(『本気で』『真面目に』等の俗語)」「部活(『部活動』の略語)」等、日常生活でも何気なく使っている略語や俗語、専門用語がありますよね。
特に「バイト」「部活」等の言葉は、そのままエントリーシートにも書いてしまいがちです。しかしエントリーシートの書き方としては、正しく書かないと伝わらなかったり、「この人は他人に分かりやすく伝える能力がない」という誤解を受けたりします。エントリーシートの書き方の基本として、略語や俗語、専門用語等を使わないようにしましょう。

ちなみに上記【1】~【3】を確認するにあたり、第三者にも見てもらうと、なおよいでしょう。

失敗から学ぶ!エントリーシートの書き方はここに気を付けよう

次にエントリーシートの書き方として、先輩達の失敗談から、気を付けるべきポイントを2点見ていきましょう。

【1】話を盛りすぎた
「エントリーシート=文章を使った自己PR」というのは正しい一面です。しかし、話を盛りすぎるというのはおすすめしません。理由は、正しく伝わらない可能性が高いからです。

そもそも新卒において人事担当者は、「部活で全国大会優勝」「アルバイトで売り上げ日本一」「ゼミ長・部長として見事にゼミ・部をまとめあげた」等の、「輝かしい功績」を見ているわけではありません。(もちろん、その後の面接における「会話の話題」として出てくる等はあります)
人事担当者は、エントリーシートから「この人は●●な状況になったとき、××のような方法を取る傾向がある。だからもし入社したら、同じような形で課題解決をするだろう」という予測を立てます。すなわち「結果を問わず、学業・部活・アルバイト等の学生生活において、どのような気づきや成長、行動を取っていったか」という「過程」を重視します。

そのため無理に話を盛って「輝かしい功績」を作っても、人事担当者が見たい「過程」の話を膨らませることができず、結局あなたの魅力が伝わっていないというケースが多くあります。
もちろん本当に「輝かしい功績」があった場合、そのことを書くのは問題ありません。ただしその場合も、エントリーシートの書き方としては、「過程」を重視して書いていくことを意識しましょう。

▼先輩の声
「失敗は、書き初めの頃エントリーシートで、話のすごさを伝えようとしすぎたところです。 ●●で一位などの結果が重要なのではなく、そこまでの過程が重視されています。それを知らず、結果ばかり主張した、自信家のような文章になってしまいました」(同志社大学商学部商学科・文系・女性)
「就活初期において、『エントリーシートは面接の際に重要な材料となり、面接官はエントリーシートに記載された内容を深掘る形で質問を散りばめてくる』という視点でESを書けていなかった。そのためエピソードを盛ることは日常茶飯事で、文面から自身の人間性をPRする思考が欠けていた。エントリーシートの重要性に気が付いたのが就活解禁後の3月であり、そこから何度もエピソードを構成し、期限間際に提出した企業も複数あったため、もっと早い段階でエントリーシートの本質に気付くべきだった」(明治大学商学部商学科・文系・男性)

【2】対策を始めるのが遅かった・時間が足りなかった
エントリーシートの書き方とは、文章の書き方や、伝わりやすくなるようなコツといったものばかりではありません。志望動機の根幹を成す、事前の業界・企業研究も重要です。

業界・企業研究は、「貴社の商品を昔から使っていて~」や「昔から貴社のファンで~」といった「消費者(企業の提供するモノやサービスを使う側」視点から、「生産者(=その企業に入って、モノ・サービスを提供する側)」視点へ切り替える役割も持ちます。「生産者」視点は、より踏み込んだ志望動機を書くために必須です。
さらに「なぜこの企業でないと駄目なのか」「同業他社もある中でなぜこの企業なのか」といった問いへの回答にもつながります。
このように業界・企業研究は、エントリーシートの書き方にあたっての基礎作りとして、必須といえるでしょう。

しかし、就活本番では、締切までの短い期間に多数のエントリーシートを書く必要があったり、面接の予定も入ってきたりします。そのため、志望動機の根幹となる業界・企業研究をしている時間がありません
結果として、十分な業界・企業研究ができず、良い書き方でエントリーシートを書くことができないというケースがあります。業界・企業研究は、大学3年生(学部4年制の場合)の春頃から、学業に支障のない範囲で進めていくと、実際にエントリーシートを書くタイミングになった時、余裕をもった書き方をできるでしょう。

▼先輩の声
「志望動機を考えることに時間がかかってしまった点。OB・OG訪問を行ってなかったこともあり、企業HP以外の情報が少なく、自分ならではの志望動機があまり見つかりませんでした。説明会の質疑応答の時間等を効率よく利用し、志望動機として言えるようなことを意識して情報を前もって集めておくべきだったと感じました」(学習院大学文学部英語英米文化学科・文系・女性)

正しいエントリーシートの書き方で、後悔しない就活をしよう

就活を終えたばかりの先輩だからこその説得力や、臨場感のある声を聞くことができたのではないでしょうか。エントリーシートの書き方とは、事前のしっかりとした対策が不可欠だということも理解できたと思います。

特に業界・企業研究は、志望動機の基礎となりますので、早め早めに対策をしていくようにしましょう。なお、ブンナビ×読売新聞のように、企業の特徴が一目で分かるようなサイトもあります。こういったサイトも活用することで、業界・企業研究ひいては面接対策の効率化をより図っていけるでしょう。

体験談は、これから就活に臨む皆さんへの、先輩達からのエールです!
しっかりとしたエントリーシートの書き方を身に付け、後悔しない就活をしていきましょう!

※スペースの都合により本記事に掲載できなかった方も含め、貴重な体験談をお寄せいただいた皆様に厚くお礼申し上げます。

調査期間:2021/9/9(木)~10/3(日)
対象:ブンナビ×読売新聞に登録している会員のうち、2022年3月卒業予定の10万人
回答:188件
回答者属性:文系男性52・文系女性79・文系男性32・文系女性23・その他文系1・その他理系1
回答者大学区分:国立46件・公立5件・私立135件(旧帝大クラス11.2%・6大学クラス25.0%・関東圏国公立大学5.3%・関東理系クラス2.1%・日東駒専クラス7.4%・大東亜帝国クラス2.1%・関関同立クラス10.6%・産近甲龍クラス1.6%・その他国公立11.7%・その他私立22.9%)
調査主体:(株)文化放送キャリアパートナーズ
調査方法:Webアンケート

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