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就活【自己紹介】何を話す?印象に残るには?現役面接官が解説

就職活動

「自己紹介で自分の印象が全て決まる」と思われがちな就活での自己紹介。気合を入れて臨んでいるのはいいものの、面接官から見たら「その自己紹介だと印象に残らない」「むしろマイナス印象」ということも。
今回は現役の面接官として、株式会社文化放送キャリアパートナーズ キャリア支援部部長 倉澤陽子氏が、「就活において自己紹介で伝えるべきこと」「自己紹介で印象を残す方法」「自己紹介でのマイナスポイント」等々を、「面接官視点」から伝授します!

自己紹介のトリセツ

──本日はよろしくお願いします。さっそくなのですが、就活における自己紹介って何を伝えればよいのでしょうか?自己紹介で伝えるべき事柄を教えてください。

倉澤:就活の自己紹介は、基本的にシンプルで十分です。「氏名」「大学名/学部学科」「専攻や部活等活動してきたことを一言」程度ですね。「●●大学文学部文学科の倉澤陽子です。大学では××を専攻しています。本日はよろしくお願いします」という具合です。

よくYouTube等で、「就活は、自己紹介で勝負が決まる」とか「就活における面接は、自己紹介が9割」といった動画もあり、実際にそれを視聴して悩んでしまう就活生も多いようですが……自己紹介で全てが決まるということはありません。基本的にそのあとの会話にしっかり答えられるかや、ちゃんとコミュニケーションを取れるかを面接官はみています。
なので、「就活の自己紹介ってシンプルでいいんだよ」ということは、就活生の皆さんに伝えておきたいところですね。

付随して、こちらが「自己紹介をしてください」と言っているのに、自己PRを始める就活生もいます。この辺りは後ほどあらためてお話ししますが、自己紹介は「面接を始めるにあたっての簡単な本人確認」、自己PRが「就活生が社会や働く上で活きる自身の強みを伝えること」と、両者で全く別物です。
なので、やはり自己紹介に全力を振り向けるということはしなくてよいと思いますね。

──自己紹介で無理に「爪痕」を残そうとする必要はないということですね。ちなみにシンプルでよいとはいうものの、大体自己紹介は文字数にするとどのくらいでしょうか?

倉澤:文字数の話の前に、前提として何も指定がなければ、先ほどお伝えした通りシンプルに、「氏名」「大学名/学部学科」「専攻や部活等活動してきたことを一言」で大丈夫です。「何文字以上話さなければならない」ということはありません。

そのうえで、「1分で自己紹介をしてください」といった形式の企業もありますので、そういった場合の文字数の目安をお伝えしますね。一般的に、「人間が1分間に話す文字数=300文字前後」と言われていますので、この辺りが目安になると思います。

ですので不安な人は、大体300文字くらいでフォーマットをあらかじめ用意しておき、状況によってフォーマットを色々なパターンに応用するような形にすると、余裕をもって臨めて便利だと思います。

──ちなみに話す内容以外に、自己紹介の際に気を付けるべきことはありますか?

倉澤:表情姿勢といった基本的なことは気を付けておいたほうがよいと思います。自己紹介で全て決まることはないと先ほど言いましたが、第一印象はある程度決まります。なので声の大きさ等も、ある程度はっきり聞こえるようにするといったことは大事ですね。そもそも声が聞こえないと、会話自体が成り立たないですし……。
ちゃんと話を聞いてもらうためにも、声や姿勢に気を付けるということは、気を付けるべき点だと思います。

印象に残るためのポイント

──倉澤さんは面接官として、就活生が自己紹介をする際、どういったところを見ていますか?

倉澤:表情、声、姿勢、視線のほか、個人的に清潔感も結構見ています。髪型が滅茶苦茶だったり、シャツがヨレヨレだったりといった点は、どうしても目がいきがちということもあり、気になりますね。
あとオンラインの場合、それらに加えて写り方も見ています。画面が暗かったり、顔を見づらかったりすると、「準備不足なのかな」と思ってしまいますね。

いずれの場合でも、「そもそも相手とコミュニケーションをスムーズに取るための準備」をしっかりしているかが、見ているポイントの1つです。

──面接だからどうこうというわけではなく、そもそもちゃんとコミュニケーションが取れる人かを見ているというわけですね。では、その第一関門を突破したとして、何分くらいの自己PRだと印象に残るとか、逆に残らないということはありますか?

これはずばり、1分以上だと長く感じ、印象に残りません
先ほども少しお話ししましたが、自己紹介の場で、面接官からまだ(自己PRについて)質問をしていないのに自己PRを始めてしまう就活生もかなり多くいます。
就活生からすると、少しでも印象に残るためという意図もあるかもしれませんが、こちらからすれば「自己紹介を聞いているのに、自己PRで返ってくる」という状態です。面接官に「この人と、この後ちゃんとコミュニケーションを取れるのだろうか」という不安を抱かせてしまいますので、非常にもったいないです。

そうなると、こちらとしてはこの後の質問もしにくいですし、深掘りした質問をしようにも、最初の自己紹介で全部聞いてしまっているので、質問することもなく……という状態になってしまいます。「こちらから色々質問しよう」という気持ちが、どうしてもなくなってしまいますね。
やはり自己紹介はピシッと短くまとめて伝えた後で、では本題へという流れを作っていったほうが、就活生・面接官双方にとって良いと思います。

──短い時間の中とはいえ、それでもなるべく印象を良くしたいという就活生は多いと思います。面接官からみて、好印象なポイントはありますか?

倉澤:「一生懸命、相手にちゃんと伝えようとしている」姿勢のある就活生は、やはり良い印象が残りますね。無理に「元気ではきはき」を演じる必要は全くないものの、ちゃんと相手に伝えようとする意志は、表情や声、視線等で分かります。

あとは話の終わりにちゃんと区切りをつけてくれると、私としては非常にありがたいですね。「●●でぇ~、××でぇ~。……(本人的には以上)」という話し方をされると、面接官としては、話が終わったのか終わっていないのか判断のしようがありません。「まだ続くからこちらから質問しないほうがよい?今ので終わりだから質問してもよい?(そして訪れる気まずい空間)」となってしまいます。

ですので、抑揚をつけて明確に話の終わりを分かるようにしたり、「以上です」といった形で宣言してくれると、その後の会話もテンポよく進んでいけると思いますね。

──では、面接官からみて、より良い自己紹介にするためのポイントはありますか?

倉澤:先ほどからも話に上がっていますが、「コンパクトである」ことはかなり大事だと思いますね。本当に一言二言程度自分のことを話してくれれば、自己紹介については十分だと思っています。
ちなみにその中で、「大したことじゃないのですが、大学で●●を学んでいます」とか「人に言えるレベルではないのですが××をしています」といった形で、変に謙遜して話す就活生も多いのですが、正直言ってそれは余計な一言です。
シンプルに自分のやってきたことを、自信をもって話してくれれば問題ありません。

また自己PRまでいかなくとも、「個性的な自己紹介で、面接官にインパクトを与えようとしています」とか「自己紹介で勝負しにきています」というようなスタンスでの自己紹介は、最初のほうでお話しした通りしないほうがよいと思っています。
たまにYouTubeの動画で観たのか、「私という人間は3つの要素で成り立っています!まず1つ目が●●で!2つ目が××で!3つ目が■■です!この3つの共通点から、私はこういう人間です!本日はよろしくお願いします!」というような自己紹介をしてくる就活生が実際にいます。
もちろん、そういったスタンスが合う会社も0とは言い切れません。けれども大抵の場合、「自己紹介で面接官に印象付けたい」就活生と、「単に本人確認として自己紹介を聞きたい」面接官との間で齟齬が生じ、悪い意味での”温度感の差”が出てしまいます。
こうなると、せっかくの準備がもったいないですし、その後のコミュニケーションもぎくしゃくとしたものになりかねません。

自信をもってコンパクトに」を忘れないようにしましょう。

──実際の面接の場で、印象に残った就活生の共通点があれば、教えてください。

倉澤:身も蓋もないのですが……ここまで良い自己紹介の仕方も含め話してきたものの、そもそも面接官は、自己紹介で印象を残してほしいと思っていません
強いて言えば、ここまで話してきたように、普通にシンプルに話してくれることが、結果として面接官に良い印象を与えることになると思います。

あとは「本日はよろしくお願いします」とか「お時間をいただきありがとうございます」といった、相手へ配慮のできる就活生に対しては、面接官としても色々と話を聞いていきたいなと思いますね。ちょっとしたふるまいですが、「この人を採用した場合、同じような形で仕事に臨んでくれそう」とか「取引先にも同じように気配りができそうなので、スムーズに業務にあたれそう」といった想像が働きますので……。
しかしだからといって、普通にシンプルに話してくれる人と、面接の評価で区別をつけるということはありません。なので過剰に配慮していますアピールをする必要もありません。

先ほども話した通り、普通にシンプルに話してくれることこそ、良い印象につながりますので、難しく考えないようにしてほしいと思います。

これはNG。自己紹介でマイナスとなるポイントは?

──何となく、ここまでの話で想像のついている人もいるかもしれないですが……。面接官からみてNGな自己紹介について教えてください。

倉澤:そうですね。先ほどからも話題に上っている通り、自己紹介の場で、自己PRまで含めて長く話すパターンは、マイナス印象になります。例えば「自己PRを含め3分程度で話してください」等の指定があれば問題ないですが、単に「自己紹介だけお願いします」と面接官から言われたら、自己紹介のみに留めてほしいですね。
実際の面接でも、自己PRまで話し出してしまう就活生、かなり多いです……。

ちなみに集団面接の際、自己紹介時にトップバッターの就活生が自己PR込みで話すと、後に続く就活生も自己PR込みになってしまうというパターンが多くあります。「トップバッター≠正解」ですので、もし自己PR込みでトップバッターの就活生が話したとしても、真似る必要はありません。
先ほどお話しした通り、「自信をもってコンパクトに」でよいと思います。

──実際の面接の場で、印象に残らなかった就活生の共通点はありますか?

倉澤:話が長いのと、あらかじめ用意しているであろう原稿を、一言一句違わないように話す就活生は、印象に残らないですね。

あとオンライン面接でありがちですが、カンペを読んでいる人はすぐに分かります。自己紹介の内容の印象以前に、「カンペを読んでいるなあ」という印象が、先行してついてしまいますね。
せめて自己紹介くらいは、こちらを見て話してほしいです。コミュニケーションを取ろうとしているという意志表示につながりますし、面接官からしても、この就活生は相手の気持ちや立場を考えられるかの評価にもつながります。

こんな時どうする?

──自己紹介は、受ける企業や業界によって変えたほうがよいのでしょうか?

倉澤:基本的に変える必要はないと思います。ただ、自分の専攻や学んでいること等、受ける業界や職種に何らかの形でつながるような場合は、一言そのことを追加すると、後々の話がスムーズに進む可能性はあります。ただ、「自信をもってシンプルに」が基本ですので、無理に追加する必要はありません。

──選考のフローごと、自己紹介は変えるべきなのでしょうか?

倉澤:これも基本的に、変える必要はないと思います。
ただし選考が進み個人面接のフローになってくると、自己紹介に限らず面接全体として「色々と詳しく話を聞きます」という形になってくる場合もあります。その際付け加えたければ、自己紹介に一言二言程度追加してもいいのかなと思います。けれども、やはり話のメインは自己紹介の後なので、無理に追加する必要はありません。

どちらかというと、選考が進むにつれて気を付けてほしいのは、伝え方ですね。1次面接・2次面接・3次面接……とフローが進むにつれ、面接官の数が増えていきます。ですので、質問してきた面接官の顔だけを見て話すのではなく、その場にいる面接官全員に向けて話すような意識をしていくと、良い印象になると思います。
話す内容自体は変わらないものの、話をする際に、視線をその場の全員に適宜向けながら話す等の気配りをすると良いということですね。

さいごに

──最後に、就活生の皆さんにメッセージをお願いします。

倉澤:自己紹介は、面接の場で一番最初に発する言葉です。「どう話せばいいのかな」とか「こんな感じの話し方でいいのだろうか」といった不安を感じたまま、どんよりした気持ちで面接に臨むと、その後の自己PRや志望動機といったメインの話題の際にも、精神的に影響が出てきます。
なのでここでお伝えした通り、「面接官から見て、自己紹介はシンプルでいいんだ」というのを理解して、自信を持って臨んでいってください!

プロフィール: 倉澤陽子 [株式会社文化放送キャリアパートナーズ キャリア支援部 部長]
2005年より現職。就職/採用活動の最前線で15年以上に渡り、就活生/企業双方にとってより良い就職/採用とは何かを追求し続けている。産業カウンセラー・国家資格キャリアコンサルタントとして多くの就活生に関わり、その見識の広さから、自社内で採用面接官を担当するのみならず、他社の採用活動においてもアドバイザーとして携わる等、広く活躍している。

※プロフィールは取材当時のものです

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