この記事を読んでいる就活生のみなさんは、就活をするならできれば大手企業に入りたい!と思っていますか。それとも中小企業を探したいと思っていますか。
そもそも、よく言うこの「大手企業」ですが、実は明確な定義はなく(※1)、必ずしも「大手=有名」というわけではありません。
とはいえ、会社の「大きさ」を測る指標についてきちんと理解してから、企業研究や就職活動に臨みたいですよね。
ここでは企業規模を見分ける3つのポイントをお伝えします。
(※1:中小企業基本法を参考にする考え方もあります。)(『データ活用術』[Training4])
「企業規模」を見分ける3つのポイントとその落とし穴
企業規模を見分けるポイントになるのは、四季報の企業データの中でも、以下の3つのデータを読み解くことで理解が深まります。
その3種のデータとは、「従業員数」「売上高」「総資産」です。
「どれも聞いたことある数字だけど・・・?」と思う方も多いと思います。それぞれの数字を漠然とみて、理解したと思っていませんか。
各数字の中にはチェックしておくべきポイントがあります。
着目点に注意しながら見てみるとぼんやりと数字を眺めていた時とは違った見え方になるかもしれません。次の章からそれぞれのポイントをお伝えします。
「従業員数」は「採用人数」のバランスに注目!
まず1つめのポイントは「従業員数」です。
1,000名以上が大手企業という説もありますが、人手=企業力になる業種もあれば、省力化が進んでいる業種もあり、一概に言う事が出来ません。「1000名以上」というだけであれば、ブンナビには1500社以上掲載されています。
ここで重要なのは「従業員数」と「採用人数」のバランスです。特に総従業員数の10%を超える人数を採用している場合は、注意が必要です。
良い事例としては、好業績での採用拡大の場合。伸び盛りのベンチャーなどに当てはまる場合が多くあります。逆に悪い事例としては、早期離職を見込んだ採用である可能性もあります。
CSR-DATAやその他就職サイトで、採用人数とのバランスをチェックしてみましょう。
■ポイント
・従業員数は一番わかりやすい数ですが、業種によって差が出やすいでもあります。
・採用人数が従業員数の10%超の会社は注意してみましょう。
「売上高」は過去3年の推移をチェックすると分かりやすい
2つ目のポイントは「売上高」です。ここは、次に出る「総資産」とのバランスも大事ですが、過去3年の推移をチェックすると分かりやすいです。
基本的には「総資産が大きい=売上高も大きい」となりますが、同じ業種内で見ると逆転現象が起こっている場合も見つかります。
また、売上は3年分の推移をみることで流れが見えてきます。
継続的に売上が減少している場合は注意が必要です。また、今期だけ調子が良いのか、逆に今期だけ調子が悪いのかなども合わせてチェックしてみましょう。
■ポイント
・売上高は、単年だけではなく、3年分の推移をチェックしよう!
「総資産」は「有利子負債比率」と比べて見定めよう
3つ目のポイントは「総資産」です。これは会社が持つの全財産の目安を表す指標になります。
わかりやすくするために、自分の家計に置き換えて考えてみましょう。
現金や銀行の貯金はもちろん、持っているパソコンやスマートフォン、机、カバンなども含まれます。そして最も重要な点は、分割払いなどのローン(借金)も資産の中に含まれることです。
つまり、総資産の値が大きいほど「規模が大きい」と言えますが、総資産の中には「借金(有利子負債)」も含まれているため、資本金の中の「有利子負債比率」と比べて見定める必要があります。
■ポイント
・総資産=お金+持ち物+借金。借金(負債)が含まれるのがポイントです。
【+α】さらに企業データから研究を深めるなら「利益」をチェック
本ページで紹介してきた、「従業員数」「売上高」「総資産」は、 「企業規模」を理解する上では重要なデータといえます。
さらにもう一歩、企業データから読み解く大事な情報は「利益」です。
いくら資本金や売上高が高く、一見安定していそうに見えていても「利益」が出ていないと、心配になりますよね。実際どのくらい「利益」を上げているのか、このあたりもきちんと理解できるようになることも重要です。 また、単純に「利益」といっても、「今年だけ大きな利益が出ている」だけなのか「数年安定的に利益が出ている」のかは大きく違ってきます。
「売上高」の項目でもありましたが、利益を見ていくうえでも「過去3年分」のデータを見ていくことがポイントです。企業規模について理解できた人は、さらに「利益」についても理解を深めておくと、より企業研究のスキルも上がってきますよ。
利益は大きく3種類。それぞれの計算方法を理解しよう。
まず「利益」と言っても、実は3種類あります。それぞれを簡単に説明していきます。
【1】営業利益:これは「本業で出た利益・本業で稼ぐ力」のことです。
営業利益=売上高-原価-販管費 で計算することができます。
【2】経常利益:これは「営業利益に本業以外の収支を足したもの・毎年繰り返す事業活動の結果の利益」のことです。
経常利益=営業利益+(営業外収益-営業外費用) で計算できます。
【3】当期(純)利益(最終利益):これは「最終的な利益・いくら儲かったかを表す」数字になります。
当期(純)利益(最終利益)={経常利益+(特別利益-特別損失)}-法人税・住民税など で計算することができます。
それぞれの利益を、わかりやすい図にすると以下のようになります。
本当の力は【営業利益】、つまり本業の力に現れてきます。営業利益の推移は、まさにホントの調子を表すいいポイントとなってきます。
利益についての考え方は、就活をするだけでの一時的な考えではなく、社会人になって、実際に自身が働くことになった企業の利益を理解するためにも大切な考え方です。まずは、気になっている企業の営業利益の3年間推移から、調べてみるのもいいかもしれませんね。
■ポイント
・本当の企業力は「利益」をきちんとみることでわかります。
・利益は3種類。本業の力は「営業利益」をチェックしよう。
・3年間の推移で「安定的に稼げているか」をしっかりチェックしよう。
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