「インターンに行かないと選考で不利」「インターンに行かないと内定がもらえない」
インターンシップについて、何となくそんな風に思っていませんか。
そもそも本当につながっているのかや、つながっているとしてどのような形でつながっているのかを、客観的調査から理解したうえで、インターンについて本当に考えていくべきことは何かを、解説していきます。
インターンは選考につながっていてほしい?
そもそも学生側からみて、インターンは採用選考につながっていてほしいものでしょうか。
延べ5269人の学生が回答しているブンナビ×読売新聞(会員数:約10万人)よる月例調査では、「インターンシップは採用選考につながっていてほしいと思いますか(択一)」という質問をしています。これについて、「はい」は平均69.3%と、7割近い学生がつながっていてほしいと考えているようです。
具体的には、次のような理由が挙げられます。
「早めから頑張る人を評価してほしいからです」(中央大学・文系・男性)
「インターンシップに参加することでアドバンテージを得たいから」(青山学院大学・理系・男性)
「インターンシップに参加し、時間を使うなら、自分に有利な条件があるべきだと思うから」(早稲田大学・文系・女性)
「インターンシップに参加することで選考に繋がり、会社説明会に参加しなくていいなどの特典があるのであるならば楽だから」(津田塾大学・文系・女性)……等
このように、「早くから動いているという、有利に進めるためのアピールポイント」「自身の時間や費用を使うことへの対価」という理由から、選考における評価につながっていてほしいと考える学生は多いようです。
インターンは選考につながっている?
それでは、実際のところインターンは選考につながっているのでしょうか。
先ほどのブンナビ×読売新聞(会員数:約10万人)よる月例調査では、「インターンシップは、採用選考につながっていると思いますか(択一)」という質問を、複数回しています。それに対し「はい」は平均86.0%という結果になり、大多数の学生は採用選考につながっていると考えているようです。
では、実際に参加してみた学生はどうだったのでしょうか。同調査では、「参加したインターンシップで選考に直結したものはありましたか(複数選択)」という質問をしています。その回答では「選考に直結していた」41.6%、「何かしら選考に関連しているようだった」46.2%となっています。
さらに、具体的にどのような形でつながっているのでしょうか。
同調査の「インターンシップ参加後、企業から選考に関する案内などありましたか。また、現在どのように参加した企業とつながっていますか(複数選択)」という質問に対し、「選考が進んでいる」43.9%、「メールや電話で連絡がある」33.3%、「参加者限定の懇親会などに参加した」28.1%となりました。
こうみていくと、多くの企業でインターンシップは選考につながっているといえそうです。
結局、インターンに参加すれば有利なの?
ここまでみてくると、「インターンは選考につながっており、内定をもらうには必須」と思うかもしれません。しかし先ほどの「インターンシップ参加後、企業から選考に関する案内などありましたか。また、現在どのように参加した企業とつながっていますか(複数選択)」で、「内定を約束されている」と回答したのは、6.2%にとどまります。
このことから、「参加したインターン経由での選考や案内があるという意味では、選考につながっている」ものの、「インターンに参加したからといって、スカウト的に内定獲得できるわけではない」といえます。
すなわち、参加したインターン経由で選考に参加しても、普通に落ちるということです。
なぜ落ちるかというと、企業の過半数は、「インターン参加者にエントリーを促すものの、特別扱いはしない」ためです。
株式会社文化放送キャリアパートナーズ「新卒採用戦線総括調査」では、企業に対し「インターンシップと採用選考は関連させていますか」という質問をしています。
これに対し企業の回答は、「採用広報開始時にエントリーを促す」64.3%(過去3年間平均)が最も多くなっています、多くの学生が期待するような「優秀なインターンシップ参加学生は選考段階を一部免除」や「インターンシップ参加学生(全員)は選考段階を一部免除」といった回答は、それぞれ20.7%(過去3年間平均)、17.1%(過去3年間平均)に留まる形です。
こうしてみると、インターンシップ参加によりその後の選考で有利になるのは、ごく一部の企業のみといえるでしょう。
インターンに参加する目的は? ~後悔しない就活のために~
とはいえ、インターンに参加したほうが内定を獲得しやすいというのは事実です。なぜなら、「インターンに参加することで、より企業理解が進み、志望動機のブラッシュアップにつながる」からです。
一般的に企業を理解する際、「ブンナビ×読売新聞」のような企業研究・比較サイトで調べたり、『業界地図』『就職四季報』『会社四季報』『CSR企業総覧』等の書籍から企業の事業の強みや業界の立ち位置を調べたりします。
しかし、これだけだと実際の職場の雰囲気や、具体的な仕事内容が分からないため、インターンに参加して更なる理解を深めていきます。その結果、より志望動機がブラッシュアップされ、実際の採用選考の場で、採用担当者の理解を得やすくなるのです。
こうしてみると、「インターンに参加したから受かる」のではなく、「インターンに参加して企業研究を深め、より志望動機をブラッシュアップしたから受かる」ということが分かります。
やみくもに「インターンに参加すれば内定を得られる(参加しなければ内定を得られない)」と狭く考えるのではなく、「自分のやりたい仕事ができそうか」「自身のキャリアビジョンに合致しているか」等の広い視野で、インターンを捉えるようにしましょう。
就活になると、とかく内定獲得そのものに目がいきがちです。しかし内定はゴールではありません。
「内定のためのインターン」ではなく、「自分に合う企業かを調べるためのインターン」と捉えることで、結果として内定獲得に近づけるだけでなく、社会人になった後に後悔しない就活をすることができるでしょう。
ブンナビでは、優良企業が参加する合同説明会をはじめ、一人ではなかなか出来ない選考対策セミナーなどの情報を発信しています。
就職準備をするならまずはブンナビに登録してみよう!