就活の面接で聞かれることといえば、自己PR・学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)・志望動機が代表的ですね。
なかでも自己PR(および学生時代に力を入れたこと)は、どのように組み立てていくか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回は自己PRについてのよくある誤解と、受かる/受からない自己PRの違いをみていきます。本当の意味で人事担当者の「印象に残る」自己PRとは何か、ここで理解していきましょう。
“すごい人”じゃないと受からない?
「自己PRできる材料なんてないよ……」
「学生時代に力を入れたことも、他の人と比べたら大したことないだろうしなあ……」
「結局すごい人じゃないとダメなんだよね?」
そう考えている人もいるかもしれません。しかし前提として、”すごい人“でも普通に落ちます。
なぜなら、新卒採用は「ポテンシャル採用(これまでの経歴や実績でなく、将来的に発揮されるであろう能力を見込んでの採用)」だからです。つまり、今現在”すごい人”かどうかより、将来的に活躍してくれそうかで判断するため、すごい人でなければ受からないというのは、誤りであるといえます。
大事なのは「この人を採用したら、将来的にこんな活躍をしてくれるだろう」という想像を、人事担当者がしやすくすることです。
CHECK:”すごい人”に見えるよう話を盛ってもよい?
たしかに”すごい人”はいるものの、その数はきわめて限られています。無理に話を盛って”期間限定すごい人“を就活中演じたとしても、結局本当に自分に合う企業に出会う可能性を狭めるだけです。 それよりも、より人事担当者に自分の印象を残す方法を考えていきましょう。
それだと受からない!印象に残らない自己PRとは?
では次に、人事担当者に自分の印象を残すことを考えた時、まず思いつくのは「輝かしい功績」を人事担当者に伝えることです。
例えば「部活で全国大会優勝」「アルバイトで売り上げ日本一を取った」「書いた論文で受賞」「部長として200人のサークルをまとめ上げた」等は、”すごい人”だから成しえた輝かしい功績と言えます。企業の選考に参加したら、そんな輝かしい功績を持った”すごい人”ばかりだったということもあるでしょう。
ただ、裏を返せばただの”すごいだけの人“です。
人事担当者はこれらの功績に、「へーすごいですね」という印象持つかもしれないものの、だからといって選考を通過させることはありません。なぜなら、「すごい人だけど、この人を採用した後どんな活躍をしてくれるかよく分からない」からです。
ここでのキーワードは「結果だけ」です。
功績だけだと、その人が功績を得るためにどんな考えをしたのかやどんな工夫をしたのかが分かりません。
端的に「全国大会優勝しました。だから御社に採用してください」と言っているようなものです。人事担当者からすれば「たしかに全国大会優勝はすごいけれど、ウチの会社の業務に結びつく功績ではないし、全然別の話だよね」と考えます。
結局のところ、どんなに”すごい人”であってもその部分をはき違えていると、選考には受からないのです。
「とはいえ、自分にはそんな功績もないし」という人も、人事担当者に印象を残すコツを次に伝授します。
過程に全てが詰まっている!印象に残る自己PRとは?
人事担当者に印象を残すにはどのように伝えればよいのでしょうか?
キーワードは「過程」です。
先ほどから述べている通り、人事担当者は「この人を採用したら、将来的にこんな活躍をしてくれるだろう」という点を見ます。すなわち自己PRについて「結果に行きつくまでの過程」を話すことで、人事担当者はその想像をしやすくなるのです。次の例を見てみましょう。
「分析力が私の強みです。学生時代には大会優勝のため、相手チームの分析を行いました。最初は情報収集の際●●なことに躓きましたが、なぜ上手くいかないのかを考え▼▼な気づきを得ました。そこで▼▼な気づきをもとに、××な工夫をすることによって、情報収集をスムーズに行えるようになりました。結果としては3回戦で敗退してしまいましたが、分析における■■な重要性を学ぶことができました。入社してからもここで学んだような■■な重要性を活かし活躍していきたいです」
このように自己PRにおける自身の強みと、それを強みとして身に付けるまでの過程/工夫/気づき/学んだことが明確だと、人事担当者も「この人は学生時代、困難にぶつかったとき▼▼という考えをもとに、××な方法で物事を解決している。だから入社してからも同じような形で仕事で困難にぶつかっても解決していくだろう」という想像をめぐらせます。
このように、人事担当者が「この人を採用したら、将来的にこんな活躍をしてくれるだろう」というイメージを膨らませやすくすることこそ、印象に残るということであると言えるでしょう。
CHECK:成功エピソードでなければだめ?
必ずしも成功エピソードである必要はありません。ここまで述べてきた通り「過程」が重要なため、無理に話を盛って成功エピソードにするのも不要です。ただし、ただ単に「失敗しちゃいました」という形で自虐エピソードにするのは、損をするだけなのでやめましょう。
「目指していた結果にはならなかったけれど、気づいたこと・学んだことが多くあり実りあるものだった。働くうえでも、この経験から気づいたこと・学んだことを活かして仕事をしていきたい」といった形で、前向きに伝えることが重要です。
「印象に残る」を、はき違えないようにしよう
選考を通過できる自己PR、通過できない自己PRの違いを理解することができたのではないでしょうか。あとは自分のエピソードから実際に自己PRを作っていくだけです。
とはいえ自己PRを作る際、「学業」「部活」「アルバイト」等のエピソードは定番のため、他の就活生と似通ってしまうことが多々あります。
しかし同じような「学業」「部活」「アルバイト」等のエピソードでも、そこで気づいたこと・学んだことは、人によって様々です。「似ているエピソードだから、人事担当者の印象に残らない」と考えるのではなく、丁寧に自分が気付いたこと・学んだことを振り返って自己PRを組み立てていきましょう。
人事担当者にとって印象に残るとは、「エピソードそのもののインパクト」ではありません。「あなたを採用した場合、将来的にこんな活躍をしてくれそうだというイメージが明確になる」ということです。丁寧にエピソードを振り返り、自分だけの自己PRを作っていきましょう!
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