公務員試験【どんな種類がある？】

公務員試験は、試験種(職種)ごとに出題される問題や形式が異なります。さらに、基本的に民間企業と異なる試験内容のため、「民間企業or公務員で迷っている」という人も、対策は必須です。ポイントを押さえ、効率的な準備を進めていきましょう！

筆記試験(マークシート式)

筆記試験は、大きくマークシート方式と論述方式があります。まずは、マークシート方式からみていきましょう。

(1)教養択一(基礎能力)試験
高校で勉強する内容＋αです。数的処理等は解答に時間を要するため、早く正確に解く練習が必要です。なお、民間企業で必要な筆記試験（SPI3・一般常識等）の対策にもなるため、民間企業と併願を考えている場合、一石二鳥が見込めます。

(2)専門択一試験
大学で勉強する内容（行政職でいえば法律系・経済系・政治系等）から出題されます。国家公務員や、規模の大きい自治体で課せられることの多い試験です。科目ごとの出題数は多くないものの、勉強範囲の広さから、独学での網羅は難しいといえます。そのため、法律系・経済系・政治系学部以外の学生は不利と思われがちです。
しかし実際には、「法律系・経済系・政治系等の学部で、しっかりと勉強していれば、少しは有利かもしれない」という程度です。その他の文系学部や理系学部等に在籍し、予備知識のない方でも全く問題ありません。

なお、自治体により各科目の出題数や傾向が異なるため、必ず自分の受験する試験種に必要な科目を確認するようにして下さい。

筆記試験(論述方式)

続けて、論述方式についてみていきましょう。

(1)教養論文試験
社会・経済問題等の一般的な課題について、自分の考えを手書きで論述する試験です。時間は概ね60～80分程度、文字数は800～1,200字程度です。客観的な事実に基づいて的確に答えたうえで、自分なりの考えを盛り込んだ論理的な文章が書けるかが試されます。

(2)専門記述試験
国家総合職、外務専門職、東京都Ⅰ類Ｂ（一般方式）、裁判所一般職、国税専門官、財務専門官、労働基準監督官Ａ等、一部の試験で実施される専門科目の論文試験です。また、理系区分では幅広く出題されます。

人物試験(面接)

試験のプロセスとして、筆記試験を通過すると、次は人物試験です。各人物試験ごとに求められる力が異なるため、自分の受験する試験種を事前に確認しましょう。

(1)個別面接
15～30分程度で、受験生1人に対し、面接官は3～5名からじっくり話を聞かれる試験です。最もポピュラーな形式で、どの試験種でも2次試験以降のどこかでほぼ必ず実施されます。

(2)集団面接
受験者3～8名に対し、面接官3～4名から、一問一答形式で話を聞かれる試験です。回答は「指名式」と「挙手式」の2通りがあります。受験生が複数いるため、的確かつ簡潔に答える力が求められます。

(3)集団討論
1グループ5～10名程度の受験者に分かれ、与えられた課題をグループで討議する試験です。受験生の社会性・指導性・キャラクター・コミュニケーション力などを見られます。

職種と試験内容に注意

受験する職種によって、選考過程（試験内容）は異なります。
また、同じ試験でも職種によって出題傾向や難易度も異なるため、志望する職種に沿った戦略や学習方法が必要です。特に「国家総合職」「外務専門職」「地方上級・国家一般職」では受験対策が異なるため、どの試験を本命にするか最初に決めてから対策を始めるようにしましょう。
なお、一部試験種で課される専門記述試験の対策ベースは、専門択一試験対策です。専門択一試験対策に重点を置きつつ、追加で必要な知識を補完することで、攻略しやすくなります。

CHECK：学習時間を取れないときは……
民間企業との併願等で、学習時間を確保しづらい場合、専門試験が課されない市役所(教養型)等を狙う方法もあります。ただし市役所(教養型)は、もともと採用人数が少ない傾向にあるため、注意しましょう。

試験内容を理解して、効率的に対策しよう

試験内容を理解できたことで、どんな対策が必要が見えてきたのではないでしょうか。ただし繰り返しになりますが、「自治体ごと・職種ごとに違う」ケースもあるため、気になる自治体の情報は必ず確認しておきましょう。

ちなみにブンナビ公務員では、「筆記試験の有無」や「試験内容」で検索することができます。こういったポータルサイトも、時間短縮や準備の効率化に有効ですので、積極的に活用していきましょう！