内定に一歩リード『就活進め方ガイド』

先輩50人に学ぶ!【志望動機はこの5つを押さえればOK】

就職活動

自己PR、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)と並んで、就活生が必ず対策する必要のある志望動機。受かる・落ちる志望動機の違いとは?ESの場合、どのように書けばよい?志望動機が思いつかない等々……。

志望動機について、ESで気を付ける3ポイントと、ES・面接共通で気を付けるべき2ポイントの、計5ポイントを解説!
この記事を読んで、就活における志望動機の必勝法を学んでいこう!

この3つに注意!志望動機を書く時、これだけは押さえよう

志望動機はES提出から面接に至るまで、就活全体を通し使うものです。まずは就活における選考初期でのESについて、志望動機を書く際に気を付けるべき点を、実際に先輩が書いた志望動機を基にみていきましょう。

結論からいえば、まず気を付けるべきことは、「読みやすく、誤字・脱字のない文章」を作ることです。直接的に志望動機に関わる箇所でないものの、受かる志望動機を書く基礎として、重要になっていきます。

具体的には、以下の3点に注意しましょう。
・誤字脱字、口語や略語、俗語や専門用語がないか
・文章だけで伝わっているか
・接続詞や同じ単語の繰り返し等、文章に癖がないか

(1)誤字脱字、口語や略語、俗語や専門用語がないか
誤字脱字は、誰もがやりがちな初歩的なミスです。「意味が分かるならいいでしょ」「誤字脱字くらいでごちゃごちゃ言わないでほしい」と思う人も多いでしょう。
もちろん、これらのミスが志望動機の文中にあったからといって、即不合格になるというわけではありません。しかし採用担当者は、誤字脱字から多くのことを読み取ろうとします

例えばパソコンでESを作成する際、「貴社を志望した理由は~」とかくべきところ「貴社を脂肪した理由は~」と変換ミスをしていたとします。これをそのまま提出した場合、採用担当者は次のように考える可能性があります。

「誤字に気付かずに提出してきたということは、この就活生を採用した場合ケアレスミスが多く、取引先に迷惑をかけるかもしれない」
「誤字を直さず提出してきたということは、この就活生を採用した場合、仕事をいい加減にやるかもしれない」

その結果、「採用した場合のリスクをESから読み取れたから、この就活生を採用するのはやめよう」という結論に至るケースは、可能性として少なくありません。
誤字脱字の有無だけでも、採用担当者から誤解を受けて損をする可能性は高まります。必ずこれらがないか確認しましょう。

次に口語・略語・俗語・専門用語も、気付かないうちに文中で使いがちです。例えば「バイト」「部活」は、「アルバイト」「部活動」の略語です。ほかにも「とても」「もっと」といった言葉も、口語です。これらを文中に使う場合、「きわめて」「より一層」等の文語で書くようにしましょう。正しく書かないと本来の意味で伝わらなかったり、「この就活生は他人に分かりやすく伝える能力がない」という誤解を受けたりします。

(2)文章だけで伝わっているか
ESで志望動機を書くとき、自分では完璧に書けたと思っていても、無意識のうちに前提知識の必要な事柄を書いていたり、体験から情景を補完していたりすることがあります。

例として、次の文章を読んでみましょう。

アメリカンフットボール部の活動です。私は昨年、オフェンスの得点力不足により不利な試合展開になるという問題に直面しました。クォーターバックのポジションリーダー兼パスユニットリーダーとして、ボールを投げるクォーターバックとボールを捕るレシーバーのパス成功率の低さに着目しました。「レシーバーが目標地点へ正確な時間に到着できているか?」「クォーターバックが到着時刻に合わせて目標地点に投げられているのか?」を意識し、パス成功率を上げる為に練習前と練習後に1時間半コミュニケーションを交わしてパスを合わせました。
結果としてリーグ戦全試合で勝利。パス成功率は昨年の50%から74%まで上がりました。功績が認められ今年から副将、オフェンスリーダーに就任しました。オフェンス全体の意識改革に取り組んでいます。
(東海大学文化社会学部北欧学科・文系・男性・金融志望) ※志望動機から一部抜粋

「クォーターバック」「レシーバー」といった、アメリカンフットボール独自の単語が出てきています。この競技のルールを前提知識として持っている採用担当者なら問題ないものの、前提知識を持っていない採用担当者の場合、正しく伝わっていない可能性がきわめて高くなります。
この例の場合、「チーム全体の司令塔として、他の選手を指示を出すクォーターバックとして~」といった形で、前提知識のない人が読んでも分かる形にすると、より正しく伝わるようになるでしょう。

こうした「無意識のうちに、自分で勝手に補完してしまっている」部分を洗い出し、「純粋に文章だけで相手に伝わる」ようにしておくことも重要です。

(3)接続詞や同じ単語の繰り返し等、文章に癖がないか
他人の文章を読んだ時、こんな風に思ったことはないでしょうか。
「『ですます』調と『だである』調が混ざっていて読みにくい」
「やたらと文中に『しかし』が入っているので、結局何を言いたいのか読み取れない」等々

意外と本人は、そういった文章の癖に気付いていません。これは、ESを作成する皆さんにも同様のことがいえます。つまり自分でも気付かないうちに、人事担当者から見て読みにくい文章になっている可能性があるのです。

例として、次の文章を読んでみましょう。

私が貴社を志望した理由は2つあります。1つ目は「お客様の心に残る家づくり」という考え方に共感したからです。住宅の購入は人生で1番大きな買い物であり、絶対に妥協してはいけないことだと思っています。
施工管理を専門にしている貴社では、現場の管理に集中することで妥協のない施工ができ、お客様により高品質で心に残る住まいが提供できると思いました。
(共立女子大学・家政学部・建築デザイン学科・女性・建設業/施工管理職志望) ※志望動機から一部抜粋

基本的に人事担当者は、多くの業務を抱えている中で、大量のESを読んでいきます。そのため、読みにくいESはそれだけで落ちてしまう可能性が高まってしまいます。
こういった事態を避けるために、就活生の皆さんも自身の文章の癖を把握し、読みやすい文章となるよう見直し・再構成しておきましょう。

この2つを押さえれば完璧!説得力のある志望動機とは?

ここまで、就活の第一関門であるESで志望動機を書く際、まず気を付けるべきポイントを解説しました。次に、ES・面接共通で志望動機を採用担当者に伝える際、必ず必要な視点をお伝えします。

必要な視点は、大きく次の2点です。
・学生時代の具体的な経験を伝えられているか=説得力のある志望動機として採用担当者に伝えられるか
・企業/社会に対し、どのような形で貢献できるかを、採用担当者にイメージさせられるか

(1)学生時代の具体的な経験を伝えられているか=説得力のある志望動機として採用担当者に伝えられるか
まずは次の例を読んでみましょう。

私は証券営業を志望しています。理由は2つあります。
1つ目は、サークルの幹事長を務めた経験から、人と深く関わって役に立つことのできる仕事がしたいと考えているからです。お金を通じてお客様と深く関わり、役に立てる証券営業に強く魅力を感じています。
2つ目は、成長できる環境だと感じているからです。無形商品であるため商品に頼った営業ができず、また実力主義の風土がある証券営業で働くことで、より自身の営業力を磨いていけると考えています。その中でも貴社を志望する理由は「最も成長できる会社」であると考えているからです。業界トップを誇り優秀な社員の集まる貴社で、周囲と切磋琢磨し、刺激を受けながら働くことで、より自己成長できると考えています。
(早稲田大学社会科学部社会科学科・文系・男性・金融業界営業職志望)

きれいにまとまった志望動機である一方、「サークルの幹事長を務めた経験」について、具体的な内容がありません。この内容は、志望動機において採用担当者が最も聞きたいことの1つです。
なぜなら具体的な経験を聞くことで、「この就活生は、当社の事業内容に合致しているか」「この就活生は、求める人物像に合致するか」「この就活生は、入社してからどんな活躍をしてくれそうか」といった、説得力のある志望動機かどうかを採用担当者が評価できるからです。

「サークルの幹事長を務めた経験」の場合、具体的な経験として「幹事長になろうと思ったきっかけ」「活動を通して気付いたこと」「課題や困難に対して工夫したこと」「活動を通し学んだこと」等が挙げられます。
これらを詳細に伝えることで、志望動機に至ったきっかけや、そのうえで志望する理由(≒この企業でなければならない理由)に、より一層説得力を持たせることができるのです。

具体的な経験の内容や、そこから得た気付きや学びを詳細に伝えることは、志望動機にオリジナリティを与えることにもなりますので、意識して詳しく伝えるようにしましょう。

(2)企業/社会に対し、どのような形で貢献できるかを、採用担当者にイメージさせられるか
「御社の商品(サービス)を昔から使っていて~」
「子供の時から御社の仕事に憧れていて~」

志望動機として、こういった理由を挙げる人は多いです。もちろん、志望動機のきっかけとしては問題ないものの、そのまま実際の就活の場で採用担当者に伝えることはおすすめできません。
なぜなら採用担当者は「自社の商品やサービスを使ってくれる消費者」を求めているのでなく、「ともに企業や社会の発展に取り組める生産者」を求めているからです。「御社の商品(サービス)を昔から使っていて~」「子供の時から御社の仕事に憧れていて~」という”だけ”の場合、消費者視点から抜け出せていないため、志望動機として説得力を採用担当者に持たせることができません。
次の例をみていきましょう。

専門性を活かして私のアイデアを形にすることで、人々を笑顔にできるからです。私が高校生の頃に地元が再開発を行ったことから、街づくりの影響力の大きさややりがいを感じ、建物を建てるというハード面的提供だけでなく、イベント運営などのソフト面からも街づくりを行えるディベロッパー業界に興味を抱きました。その中でも、貴社は街を創り、それを売って終わりではなく、貴社でエリアマネジメントを行いながら、街の魅力や新たな文化をソフト面とハード面の両方から発信しています。
そのため、私も貴社の事業を通じて、自分の分析力を活かして見つけた新たな東京の魅力を発信すると共に、国際都市としての魅力向上に一役買いたいです。
(神戸大学大学院市民工学専攻工学研究科・理系・男性・ディベロッパー志望)

「高校生の頃に~」の部分は、たしかに志望動機のきっかけではあります。ただ、これだけだと生産者視点としての志望動機を伝えられません。この場合、きっかけの部分は簡単に説明するにとどめましょう。そして、「自分の分析力を活かして~」の部分について、具体的に学業や大学生活で分析力の発揮されたシーンを詳細に伝えると、きっかけと志望動機が上手く組み合わさり、オリジナリティが出ます。そして最後は「この分析力を●●な形で業務にも活かしていきたい」という形で締めると良いでしょう。

合格率アップへ!志望動機の基礎作り

志望動機について、ここまで気を付けるべきポイントや抑えておくべきポイントをみてきました。
なお、ここまでのポイントは、「(業界)企業研究」があってこそ成立します。企業研究を事前に行っていくことで、説得力のある志望動機を作ることができるからです。

さらに面接の場で、志望動機を話した後に採用担当者から聞かれる「それ、他の企業でもできるよね?」という質問へのカウンターとなりえます。
面接官から「この人はちゃんと下調べをしたうえで、面接に来てくれているのだな」という印象にもつながりますので、企業研究がプラスに働くことはあってもマイナスに働くことはありません。

具体的な企業研究として、企業HPを調べたり、インターンシップに参加することは、その代表例です。ただ、こうした企業HPやインターンシップでは、企業の本当の姿を全て捉えることは難しいかもしれません。なぜなら、企業HPやインターンシップでは、企業としてアピールにならない点や不都合な点を伝えないからです。
とはいえ、企業が悪意を持って隠しているというわけではありません。単純に企業HPやインターンシップは、学生に対するPRという側面を持つため、わざわざ伝えないだけです。皆さんも面接の場で自己PRをする際、自分の不得意なことや苦手なことを、積極的に言わないですよね。それと同様です。

しかし、企業がアピールしたがらないポイントも調べなければ、最終的に深みのある志望動機を作れないだけでなく、自分に合致する企業か分かりません。そんな時は『就職四季報』『会社四季報』『業界地図』『CSR企業総覧』等の、第三者が取材した客観情報をチェックするとよいでしょう。
例えば『会社四季報』を見れば「その企業が儲かっているか・成長している(安定性がある)か」が分かりますし、『CSR企業総覧』を見れば、「離職率や残業時間、平均賃金」といった働くうえで重要な要素が分かります。

これらの情報を活用しないと、「『長く働けそうか』が志望動機の1つだったのに、離職率の高い企業に就職してしまった」等ということになりかねません。
こうした書籍は、図書館や大学のキャリアセンターに置いてあることが多いです。また、書店での購入も可能です。ただし、こうした書籍を買うとなると、お金がかかります。「ブンナビ×読売新聞」のように、『会社四季報』『CSR企業総覧』の情報をグラフ付きで無料閲覧できるサイト等もありますので、これらも上手に活用していきましょう。

CHECK:志望動機が思いつかない場合は
ここまで、就活における志望動機で、必ず押さえておくべき5つのポイントを解説してきました。とはいえ、「何となく憧れはあるものの、志望動機にできない」「志望動機の組み立て方が分からない」という人もいるかもしれません。

その場合、まずは自身の就活軸を考えていきましょう。
例えば「働き始めたときに取り組みたいこと」「働くうえで大切にしたいこと」等です。就活軸は他人に見せるものではありませんので、まずは本音で考えて問題ありません。
「働き始めたときに取り組みたいこと」の場合、「なぜ取り組みたいのか→そう思ったきっかけや経験は何か→そのうえで、この企業のビジョンや事業内容は、自分の考えと合致するか」といった形で、連想ゲームのように考えていくと、志望動機の最初のきっかけになっていくはずです。

そのうえで、学生時代の経験等と照らし合わせつつ、最終的に「生産者視点」でどのような形で貢献できそうかを落とし込んでいくと、志望動機の形が整ってくるはずです。

“就活のためだけ”の志望動機にならないように

志望動機は、就活全体を通し、避けて通れないものです。そのため「内定をもらうためには、多少無理をしてでも、企業に合うような志望動機にしないといけない」という考えに陥りがちです。

しかし就活の本質は「内定をもらうため」ではありません。「社会人になってから後悔しないため」です。内定獲得ばかりに目がいきがちになる就活だからこそ、その志望動機は、本当に自分の考えやビジョンに合致しているかを、企業研究を通して随所で振り返るようにしましょう。

社会人になって良いスタートを切れるよう、応援しています!

ブンナビでは、優良企業が参加する合同説明会をはじめ、一人ではなかなか出来ない選考対策セミナーなどの情報を発信しています。
就職準備をするならまずはブンナビに登録してみよう!