
独立行政法人
都市再生機構
(UR都市機構)
URは発足して20年を迎えました。「人が輝く都市をめざして、美しく安全で快適なまちをプロデュースする」ことを使命として、「都市再生の実現」に向けて地方公共団体や民間企業と連携して業務を推進しています。
田中 咲
Saki Tanaka
本社住宅経営部経営課
URの団地再生が思い浮かんだ
大学では都市論のゼミに入り、文系ではありますが、建築やまちづくりを学んでいました。そこでURの団地再生事業を知ったのですが、古い団地がみるみるきれいになり、周辺に住む人たちが通勤や通学にその中の道を利用したり、団地だけでなく街全体が明るくなったことが印象的でした。私も自分が育った街でよく遊んだUR団地内にある公園のことを思い出し、幅広い世代の人の生活を彩る仕事に魅力を感じました。就職活動では民間デベロッパーも視野に入れていましたが、富裕層など特定の人たちを対象にしたものが多く、自分は仕事で誰を幸せにしたいのだろうと考えたときに、URにこそ目指すものがあると確信しました。
最初の配属は、東日本賃貸住宅本部のストック事業推進部事業企画課。私はそこで東京北西部や埼玉エリアの団地再生事業を担当しました。日本の団地建設の始まりは1955年。現在URが管理している約70万戸のうち、およそ6割が昭和40〜50年代につくられたものです。建物の老朽化や居住者の高齢化が進む中、これらをいかに再生して、多様な世代が暮らし、街に活力をもたらす存在にするかが私たちのミッションです。たくさんの居住者の方とお話しできたことは私の財産です。皆さんの切実な声を聴く中で、画一的でなく、一人ひとりの意向に沿った細やかな計画・対応が必要だと思えたからです。その他にも楽しい交流がありました。「O-LDK(オーエルディーケー)」部という若手有志のプロジェクトで、各団地をキャラバンしてはテントを張ってキャンプファイヤーを行いました。朝から晩まで団地の人たちと一緒に過ごす中で、団地に対する互いの想いを語り合います。仕事を越えた豊かな交流ができたと思います。また、私は元々絵を描くのが好きだったので、「O-LDK」部では、毎回ポスター制作を担当させてもらいました。社内や居住者の方からイラストを褒めていただくこともあり、ますますやりがいを感じて取り組んだことを覚えています。
3年目に東京北エリア経営部企画課に異動をしました。ここでは家賃設定や駐車場の利活用など、団地の付加価値を向上させ、事業会社としての貴重な経験をしました。さらに5年目で初めて本社に配属となり、経営企画部経営管理課で実施計画の執行管理に当たりました。ここでは都市再生や復興支援など組織全体を数字面から俯瞰できたことで、URの多彩で強靭な骨格が理解できました。

その後、7年目には長女を出産しました。育休中は子どもとかけがえのない時間を過ごせましたし、社内のママ友たちと頻繁に情報交換も行いました。復帰にあたっては人事部からいくつかの案をもらい、育児との両立や保育園の距離などを考えて、本社勤務を希望しました。前部署の上司からは「あなたの創造性を活かせる部署だ」と言ってもらい、個性を見極めてくれていることを嬉しく思いました。最初の1年は時短勤務制度を活用し、毎月15分単位でシフトを組むことができました。子どもの成長や仕事の状況などに合わせてアレンジできるので助かりました。また1時間単位で休暇が取れるため、子どもの急病の際にはとても便利です。人々の暮らしを支えるURらしい、心のこもった制度だと思います。
現在は本部等に対して、URテナントのリーシングや契約業務のバックアップを行っています。賃貸収益だけでなく、団地の利便性やイメージアップにもつながるため、そのPR施策やリーシング制度の改善を進めているところです。コミュニティの核となるような店舗に入ってもらえるよう、HPやPRポスターも見直しました。デザインは自作です(笑)。最近は母親目線で、これからの団地のあり方なども考えるようになりました。偽りも背伸びすることもなく、等身大の自分で仕事に取り組めるのがURの魅力でしょう。同じ志をもつ仲間たちと一緒に、これからも最高の団地を育てていきたいと思います。
Career Timeline
2016
最初の担当業務は、希望していた団地再生事業
子どもの頃に見たのは、団地の建て替えで印象が変わった街の風景。大学でその社会的課題と意義を学び、自らの仕事にしたいと思った。入社して就いた最初の業務がその団地再生事業。若手有志のプロジェクトにも参加して、居住者との交流を深める。
2018
家賃設定や駐車場利活用業務に従事
URの収益基盤である団地の家賃設定に携わり、賃貸市場の仕組みから学ぶ。事業会社としての可能性を考えた2年間。
2020
経営企画部で、経営情報の取りまとめや執行管理を経験
初めての本社部門。数字から見えてきたのは、様々な事業が絶妙に重なり合って成り立つURならではの強さと唯一無二性。
2022
長女を出産。
育休からの復帰を多くの仲間が支えてくれた
長女を授かり、約10ヶ月の出産・育児休暇を取得。社内のママ友、上司や同僚など、多くの人たちに支えられて職場復帰に臨んだ。
2023
賃貸施設のリーシングと契約業務のバックアップ
これまで培ってきた経験を活かし、PR施策や制度設計の見直しを推進。創造性を発揮して業務に挑む。