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24/5/6 UP
【注目 キーワード】【機能性表示食品】 / 安全性確保へ、ルール整備急務(スペシャル5月号)
健康への効果(機能性)をうたう食品の安全性が問題になっている。小林製薬(大阪市)が製造した「紅麹(べにこうじ)」サプリメントは、血中のLDLコレステロールを抑える効果をうたった「機能性表示食品」だが、摂取後に腎臓病になる人が相次いだ。これまでに200人以上が入院し、死亡例も確認されている。
機能性表示食品は、科学的根拠となる資料を消費者庁に届け出れば、国の審査なしで健康への効果を表示して販売できる。健康効果を表示できる食品としては、国が機能性や安全性を審査して販売を許可する「特定保健用食品(トクホ)」と、特定の栄養成分を一定量含む「栄養機能食品」がある。しかし、コストや手続きの簡便さから機能性表示食品の開発に力を入れる事業者が増加。今年3月末時点では6752件が届けられている。市場規模も、民間の調査会社「富士経済」(東京)によると、導入された2015年の314億円から23年は6865億円と20倍以上に膨らむ見込みだ。
今回の健康被害で、小林製薬は問題を把握しながら、国や自治体への報告は2か月以上後だった。消費者庁が定めた指針では、健康被害が発生した場合、「速やかに報告することが適当」としているが、どの段階で報告すべきか曖昧で、法的義務づけもない。同庁は制度の見直しを検討している。安全性をどう確保するのか、ルールの整備が急務だ。
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