
本田技研工業(後編)

刈川:まずは、Hondaのユニークな社風について教えていただきます。原田さん、どんな社風がありますか?
原田:原田大輝氏:特徴的な2つの文化についてご紹介します。今回は、ワイガヤについてです。ワイガヤは、ワイワイガヤガヤ話すということを語源にした、Honda独自のミーティング手法のことです。
刈川:打ち合わせや会議とはどう違うんですか?
原田:まずは心理的安全性を保つことが大切でして、特徴の一つでもあります。Hondaは一人ひとりの自主性を重んじて、受け入れる文化がありますので、「こんなの間違っている」とか「恥ずかしい」と思う意見も口に出してみることが多いです。案外、そういった意見が思わぬアイデアに繋がることもあります。そして、ただ意見を出すだけでなく、一人ひとりの意見を重ねていって、誰も到達できなかったアイデアを出す。それがワイガヤの特徴です。
刈川:ワイガヤって気軽に始まったりするんでしょうか?
原田:基本は事前に予定を決めて始めますが、ふと始まることもありますね。1人で悩むより、ワイガヤして決めた方が早いし良いものができることが多いです。
刈川:実際にHondaでは、ワイガヤから生まれたアイデアもたくさんあるんですよね。
原田:二足歩行型ロボットのASIMOをはじめ、世界を驚かせた製品やサービスは、誰かのアイデアを基にチーム全員が意見を掛け合わせて産まれてきたものです。「誰かを喜ばせたい」「世界を驚かせたい」という純粋な思いがチームを動かし、ワイガヤを促してきました。
刈川:夏のインターンシップでは、このワイガヤも体験できるんですか?
原田:はい!Hondaのユニークな社風を知ってもらううえでは必須のことだと思っていますし、私たちも皆さんのフレッシュで斬新なアイデアを聞きたいです。たとえ間違っていることを言ったとしても全員が受け入れる環境がありますので、安心して臨んでほしいです。
刈川:他にはどんなユニークな社風がありますか?
原田:「4割任用」という文化です。これは、全体の仕事の4割ができると上司が判断したら、その仕事を任せてみるというHondaの育成の考え方です。
刈川:4割の段階で任せてみるのは何か意図があるんでしょうか?
原田:主体性をもって業務にあたってもらうことで、成長と活躍を促すことです。知らないことや未知のものに取り組むことで、圧倒的に成長ができます。
刈川:困ったときは先輩のサポートは受けられますか?
原田:もちろんあります。仕事を任せて終わり、ということは絶対にしないので、助言をもらいながら安心してチャレンジし、皆さんの色を出してほしいです。
刈川:Hondaでは、社員のみなさんの主体性を大切にしているんですね。
原田:“ホンダフィロソフィー”という企業理念、企業哲学にも近いような価値観がありまして、その中に、“人間尊重”という言葉があります。個人の主体性を求め、周りの人間もそれを受け入れ、サポートする。そんな考え方のことです。自分も含め同僚も、年齢関係なく意見を言える環境がありますし、全員が否定せずに受け入れます。「4割任用」の考え方もこれに基づいているんです。
刈川:夏のインターンシップでもこの「4割任用」を体験できる機会がありますか?
原田:難しい課題にチャレンジしてもらうことがあるので、そういう意味で言うと4割任用かもしれませんね。ただ我々社員でも答えを導くのが難しい課題なので、正解を求めすぎずに、自由に発想してほしいです。

刈川:ここからは、夏のインターンシップに挑む心構えを教えていただきます。これからインターンシップに参加する学生さんに対して、参加する前に準備しておくといいことってありますか?
原田:完璧な準備をする必要はないと思っています。むしろ大事なのは、この機会で何を持ち帰るかを自分なりに考えておくことです。具体的には3つあります。1つ目は、その会社や事業について少しでも調べておくことです。背景を知っているだけで、インターンシップ中の議論や社員の話の解像度が変わります。2つ目は、自分は何を知りたいのかを考えておくことです。社員に聞きたいことや確かめたいことを持って参加すると、受け身ではなく主体的な時間になります。3つ目は、自分自身を少し振り返っておくことです。どんなことにワクワクするのか、どんな経験をしてきたのか。そうした自分の軸を持って参加すると、仕事や会社を見る視点が深くなると思います。完成された自分で来る必要はありません。むしろ、まだ答えのない問いを持って来てほしいと思っています。
刈川:ちなみにインターンシップのとき、社員のみなさんは学生のどんな部分を見ていますか?
原田:Hondaという環境で自分らしく活躍できそうか、を見ています。Hondaとあなたらしさにマッチングがあるか、ということです。困難な状況に対しあなたはどう考え、どう乗り越えたか、難題に対しどう立ち向かっていくか、チームメンバーに対しどう振る舞うかなど、その時出る個性がHondaとマッチしているか、それを見たいと思っています。
刈川:参加した後は、どんな振り返りが大切ですか?
原田:この企業であれば自分が充実して働けそうか、を振り返ってほしいです。充実の考え方は人それぞれだと思います。やりがい、成長環境、人によっては給与などの労働条件かもしれませんが、自分が大切にしたい価値観や条件をその企業であれば実現できそうか、そこを振り返ると良いと思います。
刈川:ここからは、Hondaが求める人材について伺います。Hondaでは、どんな学生さんと一緒に働きたいですか?
原田:私たちは「Hondaという企業とのマッチングがあるか」という採用要件を複数確認していることから、求める人材像を一言で表すのはとても難しいです。ただHondaに限らず、採用担当が見たいのはあなたらしさです。困難な状況に対しあなたはどう考え、どう乗り越えたか、難題に対しどう立ち向かっていくか、チームメンバーに対しどう振る舞うかなど、その時出る個性が企業とマッチしているか、それを見たいです。多くの学生が業界を絞りがちですが、難しければ無理に絞らなくてもいいと思います。自己分析を時間かけてやってみる、さまざまな出会いをする、そうすることで気づきがあるので、そんな風に就活をしても良いのではないでしょうか。苦しい就活をしてほしくないです。
刈川:自分らしさを上手に伝えるコツってありますか?
原田:コツではないかもしれませんが、会話をするという意識がすごく大事だと思います。緊張するのは当たり前です。ただ、自分が伝えたかったことを伝えられないというのは非常にもったいないので、会話をするようにゆっくりと落ち着いて話すことが大事だと思ってます。我々は緊張していることをわかっていますから、落ち着いて、自分らしさを出していただきたいです。
刈川:夏のインターンシップの他に、Hondaのことをもっと知れるイベントはありますか?
原田:Hondaの社風を体感できる半日のオンラインワークショップや、採用担当と気軽に話せるカジュアルトークイベントを実施しています。例年非常に好評なイベントとなっていますので、ぜひご参加ください。
刈川:最後に就職活動を頑張るみなさんへ、メッセージをお願いします!
原田:全ての企業に対して、ここの部分良いなとか、ここの部分は自分に合わないな、というところを感じると思います。それらを、その日5分でも良いので振り替えることが大事だと思います。それが皆さんの価値観であり、譲れないもののはずです。皆さんが、自分に合った企業に出会えることを、心より願っています。