小さなこと積み重ねる(スペシャル12月号)

　初歩や基本を「ＡＢＣ」と称するが、ビジネスルールやマナーに共通する仕事の基本について、経営コンサルタントの小宮一慶さんは「（Ａ）当たり前のことを（Ｂ）バカになって（Ｃ）ちゃんとやること」だと解説する。

　社会に出て働く人になるというのは、お金をもらってサービスを提供するプロになるということだ。顧客や同僚にプロとして認められるために最低限守らなければいけないのが、ルールやマナーだ。

　例えば「ホウレンソウ」は、報告・連絡・相談というビジネスマナーを示しているが、上司への報告でも「帰社してすぐにする」という当たり前のことを続ける人は大成する。報告書の誤字脱字のチェックを毎回愚直に行う人も同様だ。

　基本を無視しても８０点が取れる人は、要領がよく、早く一人前として扱われるようになるかもしれないが、とことんやらないので日々の学びにつながらず、伸び悩む。基本に忠実で、常にベストを尽くす人は、成長に時間はかかるかもしれないが、一流になる人が少なくない。

　「仕事も人生もＡＢＣが大事。コツコツと信頼や実力を積み重ねていけば、いつか高みに到達する。大きなことを成し遂げるのは、小さなことを徹底する人なのです」と小宮さんは話す。