
本田技研工業(後編)

皆藤:まずは、新しい価値を生み出すHonda独自の文化について教えていただきます。Hondaにはどんな文化があるんですか?
原田:“四割任用”という文化があります。これは、全体の仕事の四割ができると上司が判断したら、その仕事を任せてみるというHondaの育成の考え方です。
皆藤:原田さんは、これまでに四割任用でどんな仕事を任されたことがありますか?
原田:約2年前、事業の効率化を目的として工場の閉鎖が決まった時、人事の責任者として仕事を任されました。400人を超える社員の人事異動や、関係部門への周知というものはとてもハードでしたし、育児や介護等の理由で異動ができないという従業員の労務対応もしてきました。とても大変ではありましたが、無事に完遂しまして、とても成長したきっかけになりました。
皆藤:やはり自信にもつながりますか?
原田:はい、つながりました。
皆藤:働きやすさでいえば福利厚生も気になるところです。Hondaにはどんな制度がありますか?
原田:まず、財産形成はすごい強みだと思ってます。複利0.9パーセントで毎月貯まっていくので、銀行に預けるよりも何倍も得です。自分は毎月手取りの4分の1くらいを入れています。あと、自己研鑽支援もありまして、グロービス学び放題であったり、ソフトウェアやAIを中心とした研修プログラムは全て無料です。
皆藤:すごい充実ですね。他にも、食事補助もあるんですか?
原田:自分は毎日昼食を社内の食堂で食べますが、約3分の1くらい、会社から補助が出ます。
皆藤:続いて、学生さんからよく聞かれる質問にお答えいただきます。原田さんは、人事として学生さんとお話する機会があると思いますが、どんな質問をされますか?
原田:よく聞かれる質問をいくつかご紹介したいと思います。「Hondaを受けるには車やバイクに詳しくないといけないの?」という質問はとても聞かれますが、全くそんなことはないです。実は、私もそんなに詳しくありません。なので、夢を追い求める社風とか、社員の魅力で選ぶ学生も多いです。
皆藤:ちなみに原田さんはHondaのどこに興味を持って受けようと思ったんですか?
原田:私は人でした。入社までに関わった社員が全員、強い意志とか誇りを持っているように見えまして、自分もこの人たちと働きたい、この人たちのようになりたいというふうに思って受けました。
皆藤:他には、どんな質問がありますか?
原田:今はインターンシップが主流になっていますが、「インターンシップに参加した方が有利ですか?」という質問もよく聞かれます。全くそんなことありません。Hondaのことはよく知れるという点で有利かもしれませんが、選考への有利不利は全くないのでご安心ください。
皆藤:他には、いかがでしょうか?
原田:「若いうちは、最初の数年、我慢の時期があるんじゃないか?」ということをよく聞かれます。インプットや研修が多いとか、そういった質問も結構もらいます。もちろん最初はいろいろ学ぶ機会も多いですが、若手にもどんどんチャンスを与える会社です。入社2年目で海外駐在に行ったり、プロジェクトのリーダーを務めたりすることもよくありますよ。

皆藤:続いて、Hondaが求める人材について伺います。Hondaでは、どんな人と一緒に働きたいですか?
原田:我々は、Hondaという企業とのマッチングがあるかというものを採用要件としていますので、求める人材像を一言で表すのはとても難しいです。ただHondaに限らず、採用担当が見たいのは、あなたらしさです。困難な状況に対しあなたはどう考え、どう乗り越えたか。難題に対しどう立ち向かっていくか、チームメンバーに対しどう振る舞うかなど、その時出る個性が企業とマッチしているか、それを見たいと思っています。
皆藤:自分らしさを上手に伝えるコツってありますか?
原田:コツではないかもしれませんが、会話をするという意識がすごく大事だと思ってます。 緊張するのは当たり前です。ただ、自分が伝えたかったことを伝えられないというのは非常にもったいないと思っているので、会話をするようにゆっくりと落ち着いて話すことが大事です。我々は緊張していることをわかっていますので、落ち着いて、自分らしさを出していただきたいです。
皆藤:ちなみに、原田さんが就職活動をしていたときは、どうやって自己分析をしていましたか?
原田:小学生くらいから人生を振り返り、モチベーションの上下を細かく整理しました。どういう時にモチベーションが上がるか、下がるか。それが自分の価値観で、自分と言う人間性だと思ってやっていました。
皆藤:整理ってどんな風にされたんですか?
原田:自分が部活で落ち込んだ時とか、キャプテンやったけどうまくいかなかった時とかですね。そういったものを整理してました。
皆藤:原田さんが就職活動中にやってよかったことはありますか?
原田:非公開情報というふうに我々は呼んでいるんですが、採用ホームページとか企業の説明会などでは伝わらないような社風や、働く上での実態というものを求めに行きました。社員の訪問であったりとか、企業の独自イベントに参加をしたりして、足で稼いだなという記憶があります。
皆藤:これからHondaが開催予定のイベントがあるそうですが、どんなイベントですか?
原田:本選考前に、エントリーシートに込めた想いを解説するイベントを実施します。領域ごとの社員も座談会に登壇するので、少しでも興味があればご参加ください。
皆藤:エントリーシートに込めた想いを解説するイベントって初めて聞きましたが、どんなものなんですか?
原田:我々がどういう想いを持ってエントリーシートの設問を作っているかを解説してしまうイベントです。皆さんらしさを確認できる設問にしてるのですが、その意図が伝わるような解説をしていきます。
皆藤:これから就職活動が本格化していきます。いろいろな企業の説明会やイベントに参加する機会も増えていくと思いますが、参加する時の事前準備や心構えで大切なことはありますか?
原田:自分が大事にしているものや実現したいことをその企業で達成できそうか、それをぼんやりとでも良いので考えながら参加すると良いと思います。事前準備にそれほど時間をかけなくてもいいので、自分が何を感じたか、それを振り返ることができるくらい、話をよく聞いてみましょう。
皆藤:最後に、番組をお聞きの就職活動を頑張るみなさんへ、メッセージをお願いします!
原田:全ての企業に対して、ここの部分良いなとか、ここの部分は自分に合わないな、というところを感じると思います。それらを、その日5分でも良いので振り替えることが大事だと思います。それが皆さんの「価値観」であり、「譲れないもの」のはずです。皆さんが、自分に合った企業に出会えることを、心より願っています。
皆藤:原田さん、ありがとうございました。