大学で情報処理を学びましたが、就職活動においては、業種や職種にあまりこだわりはなくて、幅広く企業をみることから始めていきました。ソニー生命を知ったのは、金融業界をみる中で。説明会に参加して、いきなり心を鷲掴みにされたのを覚えています。「ライフプランニングに基づいたオーダーメイドの保険設計」という営業スタイルをベースに、顧客本位で合理的な保険を提供していること。たくさんの「業界初」を実現していること。それらは、金融業界に抱いていたビジネスライクで保守的なイメージとは全く異なるものでした。さらに、システムの活用も業界内で頭抜けていると感じました。その年から「ITコース」での採用を始めたと聞き、もう迷いはありませんでした。
1年に及ぶ研修を終えて配属されたのが、IS開発9課。ライフプランナーや代理店のみなさんが使う営業支援システムの保守開発を行う部署です。最初は上司や先輩について幅広く経験させてもらい、3年目でスマートフォンシステムの開発を初めてメインで担当しました。ライフプランナーは顧客に関するさまざまな情報をPCで管理しており、それを出先や移動中にもスマホ上で簡単に見られるようにしたことで、営業現場からは「これ役立ってるよ」「できて助かった」など、たくさんの声をかけてもらい、とても嬉しかったですね。
8年目に取り組んだ開発も印象深いものでした。新型コロナウイルスが流行する前から、業界に先駆けてリモートでコンサルティングできるシステムの開発を進めていたところ、コロナ禍によってライフプランナーがお客さまとお会いすることができなくなり開発を急ぐことに。他のIT部門や営業現場のみなさんにも夜遅くまで検証に協力してもらうなど組織一体で取り組み、一回目の緊急事態宣言の翌月には実用にこぎつけることができました。いざというときに「お客さまのために」という一心で全員が同じ方向を向いて行動できる、これがソニー生命の強さなのだと感じた出来事です。
9年目を迎え大型案件を担当するIS開発6課に異動、念願かなって「GLiP」開発のプロジェクトメンバーとなりました。一生涯のプランをライフプランナーがお客さまと一緒に考えていくためのもので、1994年のライフリスクマネジメントシステム以来の刷新でした。1994年からソニー生命は日本社会に先駆け、システムを使ったライフプラン分析を行ってまいりましたが「人生100年時代」の到来に伴い発生する社会課題に対応するため、社会に先がけて、ライフプラン分析システムを刷新しており、そこにソニー生命の理念を体現することが求められました。従来のPCインストール型からクラウドで稼働するWEB型に切替えることで、グラフなどの表現力を格段に高め、更新性や機能拡張性にも優れたものとなります。私はそれらの機能を最大限に活かすべく、主に外部サービスとのデータ連携に取り組みました。例えば、損害保険の試算はソニー損保、住宅ローンについてはソニー銀行など、ソニーグループのリソースをフル活用。その他ライフプランを考えるうえでより詳細に考える必要のある子供の教育費や旅行の費用等々を洗い出し、つねに最新データを使えるよう各社との交渉を進めていきました。
GLiPの構想は従来の生命保険の枠を超えたものであり、私の業務もお客さまが必要とすることをどう機能にするかなど開発担当の範囲を飛び超えていたと思います。社内においても、部署間の垣根を超えてとことん話し合ってきました。主体的に取り組み「挑戦」することで得られるやりがいを、めいっぱい体感した2年間でした。
2022年10月からGLiPの実用がスタートし、内外で大きな反響を呼びました。ライフプランナーからも多くの評価をいただいていますが、長年従来のシステムを使ってきた人にとって乗り換えるのは決して簡単なことではありません。もっと使いやすく、そしてお客さまにとって本当に役立つものとなるよう、さらに進化させていく必要があります。現在はIS開発9課に戻り、継続してGLiPの開発に当たっています。ツールひとつにも成長の手を緩めない、これもまたソニー生命らしさでしょう。
私たちの代で始まったITコースの採用も早や10年。育成環境は年々充実し、優秀な後輩たちがどんどん育っています。ソニーグループとの連携が強化され、当社の活躍フィールドも飛躍的に拡大しています。これからもソニー生命らしさを見失うことなく、開発チーム一丸となって新たな挑戦を続けていきたいと思います。