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(ブンナビ公務員特集記事 千葉市児童相談所)自分の家庭も大切にしながら、支援が必要な家庭に関われる職場【松竹淑恵 東部児童相談所児童福祉司】

児童相談所ならではの協力体制と安心感

私が千葉市児童相談所で働くことに決めたのは、子育てと仕事を両立させたかったから。
子どもに関わる仕事がしたいと大学では児童福祉を学び、卒業後は学校で支援が必要なお子さんのサポートをしたり、放課後等デイサービスで勤務したりしてきたのですが、結婚・出産を経て、今は家庭をより大切にできる職場が良いと思い転職を決意しました。通勤しやすさや勤務体制などの希望に当てはまったこともあり、千葉市の採用試験を受けました。ちょうど千葉市で、福祉職採用とは別に児童福祉の採用枠ができた年です。通常の福祉職採用だと、児童福祉・障害福祉・高齢福祉、そして生活保護など様々な分野での勤務となるため、こどもや家庭への支援を希望する私にはタイミングも良く、児童福祉職での第1期採用となりました。

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児童相談所の具体的な仕事内容は、児童福祉司としてどんな動きをしているのかなども含めて、着任するまで詳しく分かってはいませんでした。実際に働いてみると、保護者や学校の先生などの大人と話す機会も多く、時にはこちらの関わりに拒否的な保護者や子どもに接することもあります。同じ児童福祉の仕事とはいえ、希望して通ってくるお子さんとの関わりが主だった前職とは大きく異なる仕事内容です。でも、分からないことは誰にでも質問できる雰囲気の職場なので、先輩や上司にいろいろ質問しつつ、充実している研修などを通して、日々、親・子にとってより良い対応ができるように心がけながら働いています。

家庭に介入する業務に、複数職員で連携して対応

  • 私が所属しているのは緊急支援班。虐待の通告を受けたときの初動対応をメインにしている班です。学校や地域の方から通告があった際に受理し、対象のご家庭の調査を行います。学校や保育所など関係機関からの情報収集や、家庭訪問、親・子との面接をして、その家庭がどういう状況なのか、調査していきます。その調査結果を元に所内でその後の対応方針を話し合い、決まった支援内容を担当する職員へ引き継いでいくというのが一連の流れです。
  • 通告のあった家庭にコンタクトを取る業務なので、喜んで迎えてくださることはほぼありません。中には「児童相談所なのですが」と伝えるだけで怒りっぽくなったり、話をすることさえ拒否したりする方もいます。簡単な仕事ではありませんが、子どもたちのためには、家庭の現状を正しく把握する必要があるので、適切に振る舞いながら、家庭内での課題や問題を捉えられるようにしています。とはいえ、家庭訪問には必ず複数人で行くことになっているので、自分一人で何とかしなければならないということはありません。同僚には、他の児童相談所で児童福祉司としての勤務経験がある方や警察OBの方など、多様な経歴をもつ方がいます。日常的にそれぞれの経験から学びながら、協力して対応する体制ができています。児童心理司やケースワーカー、医療スタッフや弁護士など、各分野のプロにも相談できる環境なので、それぞれの専門職の方と、子どもたちや家庭にとってより良い支援を多面的に考えて関われるのも、安心できるポイントです。
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やりがいと大変さのある緊急支援班で、
自分を大切にしながら働く

  • 継続的に家庭を支援する別の班の職員から私たちが関わった家庭のその後の経過を聞き、嬉しく思うこともあります。あるご家庭は、通告を受けて初めて訪問したときには、家の中は整理整頓ができていませんでした。生活環境が整わず、お子さんは学校に通えていない状況。それが、児童相談所の関わりをきっかけに保護者の方も何とか変えたいと考えてくださるようになりました。今では家の片付けができていて、お子さんも学校に通えるようになったそうです。関わって良かったなと思えた一つでした。
  • 一方で、この仕事は、人の人生に関わる、責任のある仕事なのだと実感する厳しい状況に直面することもあります。自分の仕事をきちんと行ったという自信はあったのですが、その家庭に関わった一人として、もっとよい対応があったのでは……と自分を責めるような気持ちにもなりました。それでも気持ちを持ち直し、今も仕事を続けられているのは、一緒に働く仲間が温かい言葉をかけてくれたからです。人の家庭の問題に関わっていくことは、簡単な仕事ではありませんが、その難しさや大変さ、しんどさも分かち合える職場だから、働き続けられています。「一緒に働く職場の人たちは良い」と、みんな口を揃えて言っていますね(笑)。
  • 何でも相談できる雰囲気があるので、子育て中でも希望にあった働き方ができるのだと思います。千葉市は職員の子育て支援の制度が充実しているのでとてもありがたいのですが、子どもの発熱時などに急に休むのを申し訳なく思う気持ちもありました。そんなときに、「いま子育て中のあなたが休みを取るのが、これから子どもを持つ職員にとっても働きやすい職場づくりになるから」と言ってもらったことも。実は、2024年春から夫の仕事の都合でしばらく海外に住む予定なのですが、こちらも休職扱いとなり、戻ってくることが出来ます。自分の家庭を大事にしながら、支援が必要なご家庭にこれからも関わりたいですね。

子どもたちが幸せになるために関われる仕事

  • 家庭の状況が厳しく一時保護したあるお子さんの、その後の様子を目にする機会がありました。すぐに家庭に復帰できる環境ではない中、にこにことお話をして、学校の勉強なども頑張りながら健気な様子で暮らしていたんです。その姿を見ていたら「この子には幸せになってほしいなぁ」と思いましたし、この子が幸せになるためにお手伝いしたいと改めて感じました。私が関わったその子だけではなく、子どもたち皆がそうであってほしいと願っています。
  • 児童相談所での仕事は、行政だからこそ人の家庭に一歩踏み込んで関われる仕事だと思っています。とはいえ、一人の力で子どもを救うとか、家庭を良くすることはできません。仲間と一緒にできる限りのことをしていけたらと思っています。児童相談所の児童福祉司として働こうと思っている皆さん、千葉市の児童相談所でお待ちしています。
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ある一週間のスケジュール

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